内容説明
キャシー・オニールは怒りに身を震わせていた。こんなことがあっていいものだろうか。優秀な薬学研究員として栄養学研究所に働く彼女に、データ偽造といういまわしい罪がかぶせられたのだ。キャシーの身の潔白を証明する手だてはない。親友のメレデスさえ無実を信じようとせず、キャシーのもとを去っていった。二週間後、キャシーに思いがけない電話がかかった。研究所に出資している財団の総帥ブラン・ラスバーンからだった。―メレデスは彼のたったひとりの妹、その彼女が交通事故にあった。だがメレデスは回復手術を受けることを拒否している。ブランは、妹を説得できるのはキャシーしかいないという。互いに敵意と反感を抱きながら会ったブランとキャシーは…。