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内容説明
これまで一度も会ったことのない祖父の遺産を相続しに、ブレット・シンクレアは祖父の住んでいた町にやってきた。葬儀に参列したのは、ほんの気まぐれからだった。ところが、本来なら唯一の遺族である彼が座るべき席に若い女性がいる。いったい誰なんだ?祖父の愛人だろうか?しかも、祖父が愛してやまなかった古い大きな屋敷は、“朝食つきホテル”になっているらしい。実の娘といっしょに暮らすのもいやがった強欲でけちな祖父が、赤の他人に部屋を提供していたとは…。その夜、ブレットは嵐の中、祖父の屋敷を訪れた。玄関に現れたのは、昼間葬儀で見たゲイラ・マシューズだった。自分の素性を隠したまま、そこに宿をとった彼は、悲しみに暮れるゲイラを慰めるうちに、情熱の一夜をともにしてしまう。翌日明かされた、祖父の条件つきの複雑な遺言に、彼の心は決まった。母をないがしろにした祖父の遺産など欲しくはない。あの屋敷を処分できるのなら、ゲイラと結婚しよう…半年間だけ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
18
共に家族愛に恵まれなかったヒーローとヒロインだけど、愛情深さ、自立心、凛とした強さを持つヒロインに比べてヒーローはちょっと痛々しい気がする。身勝手な母の嘘はたったひとりの祖父との繋がりを断ち切る形になってしまったのだから。家族に愛されたかった彼と、妻を亡くし溺愛した娘に去られ孤独だった祖父。生きているうちに会えたらよかったのに。自分では彼女を幸せにしてあげられないと思い込んで去ってしまうヘタレヒーロー。ヒロインの無償の愛にようやく気づいて、覚悟を胸に戻ってきて頑張るところはナイス。祖父も喜んでくれるね。2015/12/27