内容説明
二〇一六年八月、遂にシャープは台湾企業・鴻海の傘下にくだった。自ら独裁を公言し、苛烈な発言を繰り返す創業者・郭台銘とは何者か。M&Aを繰り返す鴻海と、郭台銘の半生から、シャープの行く末を占う。
目次
第1章 シャープ買収にこだわった鴻海の懐事情
第2章 自殺者続出、フォックスコン工場の実態
第3章 鴻海は中国企業なのか
第4章 郭台銘の原点、貧困の時代
第5章 倒産寸前から急成長の謎
第6章 巨大企業の「皇帝」の懊悩
第7章 信仰への熱中、強烈な家族愛
第8章 シャープへの求愛
著者等紹介
安田峰俊[ヤスダミネトシ]
1982年滋賀県生まれ。ルポライター、多摩大学経営情報学部非常勤講師。立命館大学文学部(東洋史学専攻)卒業後、広島大学大学院文学研究科博士課程修了。在学中、中国広東省の深〓(せん)大学に交換留学。一般企業勤務を経た後、著述業に。アジア、特に中華圏の社会・政治・文化事情について、雑誌記事や書籍の執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
14
筆者があとがきで書いていたように、テリー・ゴウは飲み屋なんかで隣にいて話をする分にはいいおっさんなんだけど、ビジネスの話をするのは勘弁してと思う。ただ、何のためにビジネスを拡大するのか、おそらく自分でも分からないのだろう。ビジネスが人間の形をするとテリーになるのかもしれない。そんな理念なくただただ拡大・増殖を至上命題とする鴻海がシャープを飲み込んだとき、シャープはどうなるのか。DNAが完全に入れ替わり、鴻海型の企業になるのか、それとも…。2016/12/31
☆ツイテル☆
2
フライヤー2022/01/30
多分、器用です
1
勉強になった。やっぱり日本企業はダメだなー2021/06/29
こうじ
1
鴻海の創業者にしてCEOの郭台銘(テリー・ゴウ)氏の半生を書いた本。いろんな意味で凄い人だと思うのだけども、意外にも多くの挫折を乗り越えてきていると思った。それだけに、EMSだけのビジネスから脱却を目指しているシャープの買収には、かなりの深い思いがあるのだと思う。仕事と関係なく個人として付き合う場合と、仕事で会うときとでは、かなり印象が違いそうな方ですね。ビジネスは、どこに向かっているのか知らないけど、全力で走っていなくてはいられない性格なんでしょうね。2017/03/22
たすたす
0
日本メディアからの印象が強いテリーゴウ氏の実際の姿。タフな企業人、不器用な家庭人、アンビバレントな姿が魅力的だった2016/10/06