内容説明
品位ある「高級紙」は、「大衆紙」となって生き残ることを選んだ…元社員が暴く名門新聞社の内紛と「招かざる救い主」。「良質なジャーナリズム」はもはや死語なのか。
目次
密談
いとこたち
ほころび
編集局
ビリー
追跡
手紙
待機
極秘
「ノー」ではない〔ほか〕
著者等紹介
エリソン,サラ[エリソン,サラ][Ellison,Sarah]
ニューズウィークパリ支局の記者を経て、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者として10年間、パリ、ロンドン、ニューヨークで取材活動を行う。メディア業界をカバーした記事で、2007年にニューヨーク・ニュースウーマンクラブから、2008年にニューヨーク・プレスクラブより受賞。現在も、バニティ・フェアに寄稿するなど、精力的に取材・執筆活動を続けている。ニューヨーク、ブルックリン在住
土方奈美[ヒジカタナミ]
日本経済新聞社を経て、2008年にフリーに。米国公認会計士資格(CPA)保有。経済・金融分野を中心に翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめタンク
1
2020年57冊目。すごい本ですね、メディア王マードックが欲しくてたまらなかったウォールストリートジャーナルをいかに買収し、編集長をクビにして好き放題やってます的な事が400ページに渡って書かれています。2020/02/13
sasha
1
ルパート・マードックによる買収劇を丹念に描いている。小説を読んでいるように面白いのだが、アメリカのメディアをまったく知らないと辛いかも。世界的高級紙もマードックの下、大衆紙へと変貌した。新聞業界の衰退は何もアメリカだけの問題ではない。いずれ日本の全国紙でも似たようなことが起きるのかなぁ。2012/12/15
Mana
1
とても素晴らしい内容だった。買収前からジャーナルの抱える問題も取り上げていて単にマードックが悪いということではすまない難しさを感じた。そういう意味では新聞業界の先行きの悪さも心配される。ストーリーも盛り上がって登場人物も活き活きして描かれていると思う。とても面白い。2011/09/26
roxy001960
1
バンクロフト一族の関係がわからなくて、思わず家系図を書いてしまったのは私だけ?マードックは何が欲しかったんでしょうね。WSJという名前?新聞に対する情熱はあっても、中身をあんなに変えてしまうなら、クオリティj-ペーパーに対する戦略があったとは思えない。WSJに対する著者の思いが感じられる1冊でした。2011/10/14
gonbee
0
世界有数の経済新聞買収を巡る関係者の話。ジャーナル出身者によるものの為か、ジャーナリズムの独立性にフューチャーしすぎ、「会社は誰のものか」についての解説は不足していてもったいないが、自己保身と思い込みに支配された登場人物達の活躍は面白く、それらから読み手がガバナンス論へつなげる事は可能。コミカルなのは、沈みゆく紙媒体を巡ってガチャガチャやっている事であり、一部現場を除くと皆インターネットへの認識が不足している事。結局マードックも一世代前の人という事か?2011/12/17