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大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた

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  • サイズ B6判/ページ数 115p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784833418881
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

出版社内容情報

いつまでも若くいたいと思うのは勝手だけど、いつまでも子どもでいたいというのはムシがよすぎませんか?
いま、この国に「本当の大人」はどの程度いるのか? 「私の責任だ」と言える人間はいるのか? 鷲田清一(大阪大学総長、『モードの迷宮』でサントリー学芸賞受賞)と内田樹(神戸女学院大学教授、『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞受賞)──現代日本を代表する論客二人による刺激的な日本社会論。伝説の対談「大人学のすすめ」も収録。

内容説明

気づいてみれば、みんなで「こんな日本に誰がした」を大合唱。誰も「こんな日本に私がした」とはゆめゆめ思っていない。老いも若きも「責任者を出せ!」と騒ぐクレーマー天国で、絶滅危惧種「本当の大人」をめぐって二人の哲学者がとことん語る。

目次

プロローグ 成熟と未熟
第1章 対談「大人学」のすすめ
第2章 大人の「愛国論」
第3章 「弱い者」に従う自由
第4章 呪いと言論
第5章 大人の作法
第6章 もっと矛盾と無秩序を

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
大阪大学総長。1949年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程修了。関西大学文学部教、大阪大学文学部教授、同大学大学院文学研究科長・文学部長、副学長を経て2007年より現職。専門は哲学、倫理学。89年、『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫)および『現象学の視線』(講談社学術文庫)で、サントリー学芸賞受賞。00年、『「聴く」ことの力』(阪急コミュニケーションズ)で、桑原武夫学芸賞受賞

内田樹[ウチダタツル]
神戸女学院大学教授。1950年、東京都生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。東京都立大学人文学部助手、神戸女学院大学文学部総合文化学科助教授を経て、96年より現職。専門はフランス現代思想、武道論、映画論など。2007年、『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で、小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

UK

33
哲学者の対談。なかなかに示唆に富んでいて面白い。お二人とも一応は象牙の塔には居ながらも、語り口は市井の人のそれなので、大変に平易でわかりやすい。それなりに成熟した社会では幼児でも生きていけるから大人がいなくなる。なるほど。必要がない機能は退化するわけだ。でももうその安全さのピークは過ぎたんじゃないのかな。表題に関わる話題だけでなく、オノマトペに関する会話なんぞも楽しい。舌って内臓の先端だから言葉には理だけではない身体から来るものがある?おめおめと、なんていう語感をいつの間に人は体得するんでしょうかね。2015/01/31

ちさと

32
鷲田先生と内田先生の対談を収録ということでとてもわくわくした気持ちで読みました。少し前に「成熟した大人がいないという現状は大人になりたくないというより、大人にならなくても生きていける世の中になったのでは」みたいな事を読書メーターの感想で書いたんですけど、内田先生もそれは同意で、では「子どもだけでも経営できるシステムが不調になった時、誰が制度設計を建て直せるのか」と仰っていました。ごもっとも。その他気になった部分がいくつか。両先生の思想は読むたびに、自分を見直すきっかけをもたらしてくれます。2019/02/01

ムーミン

26
政治というものも供与される情報になってしまっているから、それにどう反応するかだけがあって、自分の中でこれは何かと考える「ため」みたいなものがなくなってきている。:P.162017/10/27

スパイク

23
またやってしまった。面白かったんである。対談集は私に合わないと先の読書感想で書きながら、その舌の根も乾かないうちに、この本(対談含む)を面白いと思ってる。で、感想を書こうとしたら『既読』本だった。内田の言うことはいつも同じだななんて思いながらも、面白かったんだからしょうがないんだけど、ちょっとショック。でも、いいのです。唯一無二の正しいことなんかあるわけないのだから、これはこれで良しとしようとする私は成熟してるの?幼児的なの?2014/11/09

いろは

20
政治家、経営者、官僚、マスメディアなどなど、対応が幼稚で大人になりきれない大人達への非難の作品。特に、学生の就職活動についてはこんな文章があり、心が痛かった。『唯一無二のオリジナルな人間として自分だけにしかできない人生を生きなければならないと信じ込まされているから。』いやいや、信じ込まされているからと言うよりは、そんな人生を生きてる人って素晴らしいじゃないですか。自分だけにしかできないことをやっている人って、それだけで素敵だと思うけれど、それが分からないから、悩み、苦しむ。だけど、若いときってそんなもの?2018/12/05

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