目次
第1章 フーコーの穴―方法論的序説
第2章 社会の統計学的一体性―エミール・デュルケム論
第3章 断片化される社会―ポスト福祉国家と保険
第4章 健康包囲網―高血圧の定義に見る統計
第5章 正しく測るとはどういうことか?―知能多元論の起源と現在
第6章 正しく測るとはどういうことか?再論
第7章 プロファイリングの現在
第8章 GIS―空間を掌握する
第9章 未来予想図
著者等紹介
重田園江[オモダソノエ]
1968年兵庫県西宮市生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。現在、明治大学政治経済学部助教授。専攻は政治・社会思想史
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感想・レビュー
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yutayonemoto
3
【速読】【図書館】買おうと思っていたのだけど、図書館にあったので借りてみた。半分が発表済の論文で,もう半分が描きおろし。こういう本の議論を引きながら,自身の論を展開したい。なかなか理学療法の世界ではこういう話が表に出てこない。EBM大好きですからね。カンギレムとか大学の授業で教えてくれたらいいのに。教えられる先生がほとんどいないか。統計とってたら正解と思っている人はこういう本の存在すら知らないのだろう。いい本だと思うし,著者もいい人なんだろうと思う。本書の内容が自分にとって本当に必要な時に再読したい。2014/06/26
au-lab
1
タイトルは挑戦的だが、内容はいたって堅実でわかりやすい、統計が社会にいかに表象されてきたか、「測る」とはどういうことかを問う良書。フーコーの権力論をベースにしてはいるが、フーコーについての言及は少なく、論文集でもあるがゆえにすこし一貫性が弱いか。後半の監視社会をめぐる議論が、フーコーの権力論の現代的可能性を問うものになっているだけに、この結論に接続する論拠がもう少し欲しかった。2017/02/12