目次
石切り場
第1部 ビザンチン時代(王座;トルチェッロ島;ムラーノ島;サン・マルコ大聖堂;ビザンチン様式宮殿)
第2部 ゴシック時代(ゴシックの本質;ゴシック様式宮殿;ドゥカーレ宮殿)
ドゥカーレ宮殿の柱頭表
ヴェネツィア国の物語風年代記
著者等紹介
ラスキン,ジョン[ラスキン,ジョン][Ruskin,John]
1819‐1900。1842年オックスフォード大学卒業。1870年よりオックスフォード大学芸術学講座を担当
内藤史朗[ナイトウシロウ]
1933年台湾台北市に生まれる。1957年京都大学文学部(英文学)卒業。1976年大谷大学教授、1999年京都造形芸術大学教授。1974年アイルランドのイェイツ夏季大学で講師を務め、1983年オックスフォードのSt.John’s Collegeにて客員として研究に携わる。大谷大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
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訳者の内藤教授には市民大学院で民俗学的、地理的な ご教示をいただいた覚えがあります。 伊勢神宮とか地名の由来とか。 モチェニーゴやヴェンドラミンの手で、関節の辺りが 痛風のように腫れて皹になっているのを表わすことに 注意が向いていた(38頁)。 痛風患者そのものをを表わしたわけではないにせよ、 確かに、足首がちぎれんばかりに痛かったのは忘れられない。 夕べの幸福とは、旅人が今しがた超えたばかりの丘の頂きから、 彼が泊る予定の静かな村落が渓流の脇の牧草地の間に散在 2014/03/29
RS
1
北方(ロンバルディア)と南方(アラブ)の影響を均等に取り込みながら、ドゥカーレ宮殿を中心としたヴェネチアにおいて、いかにゴシックの精神が発展し得たかが書かれている。特に、ゴシックがキリスト教の教義を内包した不完全を受容する柔軟な建築様式であること、可変性に富み、歴史上初めての合理的な建築様式であることが指摘されている点が興味深い。建築史上永遠の命題である、参照による卑しい勝利と創造による名誉ある敗北の是非論はゴシックと共に明確に台頭するが、常に後者が歴史となってきたことに勇気づけられる。2016/03/20