内容説明
音楽学徒として歩み始めて以来半世紀に亘ってルソーと向き合ってきた著者による「音楽者ルソー」論の集大成。
目次
序章 ルソー祝年三たび―回想の半世紀
第1部 昔日の二つの祝年に思う
第2部 私のルソー追想―モーツァルトとともに
第3部 ルソーと音楽―総説
第4部 作曲家ジャン#ジャック・ルソー
第5部 ルソー音楽論の射程
第6部 音楽史の中のルソー
第7部 ルソーと『むすんでひらいて』
終章 “ルソー生誕三百年祝年”の音楽家ルソー―三つのコンサート
著者等紹介
海老澤敏[エビサワビン]
1931年(昭和6)東京に生まれる。東京大学文学部美学美術史学科卒業、同大学院人文科学科美学専攻修士課程修了。フランス政府給費留学生としてパリ大学に学ぶ。国立音楽大学教授・学長・理事長・学園長、新国立劇場副理事長・同劇場オペラ研修所所長を経て、尚美学園大学大学院特別専任教授、日本モーツァルト研究所所長。ザルツブルク国際モツァルテーウム財団名誉財団員・同財団モーツァルト研究所所員、ボローニャ王立音楽アカデミー名誉会員、国立音楽大学名誉教授。平成8年紫綬褒章、平成19年度文化功労者。専攻・音楽学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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i-miya
29
2013.02.24 読んだわけではありません、2013.02.24、日経新聞書評欄、評者:氷見文雄(中央大学教授)から。半世紀にわたる著者の研究の集大成・ルソー生誕500年。 1981『ルソーと音楽』で音楽者ルソーについて世界の類を見ない業績。 ジュネーヴ生まれの共和主義の政治哲学者ルソーは、書簡体小説などの文学者、かつ教育思想家、であることはよく知られる。 2013/02/24
メルセ・ひすい
2
貴重本 2012年 生誕300年なのだ。この書の内容の半分はルソー生誕200年祝年の論考である。彼はこの世に生まれ出る際、母の命を奪っている。母と同じなの父方の叔母ジュザンヌから音楽へのイニシエーションを受けて以来心の魂の抑揚の歌、本源的な音楽の世界に音楽とは心の情念パッションとして意味を持ち続けていた。音楽学徒として歩み始めて以来、半世紀にわたってルソーと向き合ってきた著者による、「音楽者ルソー」論の集大成。多様なルソー像の中でも忘れられがちな「音楽者」ルソーに照明をあてた1冊。2013/03/04