内容説明
分際をわきまえて生きること(=分度)、「名」にふさわしく生きること(=名分)、運命を受け入れること(=命禄)の葛藤の中で、あるべき自分の姿をもとめた人々。上田秋成の作品を読み解く。
目次
第1部 上田秋成(分度と逸脱―『雨月物語』の作中人物;調戯の主題―都賀庭鐘『英草紙』・『雨月物語』・曲亭馬琴『八犬伝』;近世小説のことば―『雨月物語』の注釈;類推の方法―「浅間の煙」考 ほか)
第2部 同時代の人々(近世怪異小説の水脈―『雨月物語』以前;妖怪の名―鳥山石燕『画図百鬼夜行』をめぐって;地域の事件―麦水『三州奇談』の成立;和文のイデオロギー―建部綾足『折々草』一面 ほか)
著者等紹介
稲田篤信[イナダアツノブ]
1947年愛媛県生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了。博士(文学)。首都大学東京教授。専攻・日本近世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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