内容説明
この第一巻は、単行本として刊行された江戸時代の儒教に関する著作を二編収めている。『儒教運動の系譜』の方は、江戸期の儒者たちを歴史的社会的に位置づけながら彼らの儒教的思想世界の形成と衰退を考察したもの。『近世の儒教思想』の方は、敬と誠という徳目の理解に焦点をあて、いわば倫理的概念史として儒者たちの思想と対立と変遷をたどったものである。
目次
近世日本における儒教運動の系譜(儒教運動の擡頭;武教的儒学の成立;武教的儒学への批判―市井の儒者 伊藤仁斎;経世済民の儒学の成立―荻生徂徠;儒教運動の衰退の諸相)
近世の儒教思想―「敬」と「誠」について(近世儒学の源;「敬」中心の儒学;「敬」中心に儒学に対する批判の擡頭;「敬」中心の儒学の反撃と変容;「誠」中心・「敬」中心の儒学に対する〓園派(けんえんは)の批判
「誠」中心の儒学
「至誠」の倫理)