内容説明
1997年に始まった経済危機は、アジア経済観に大転換をもたらしつつある。NIESは先進国への道を歩んでいるのか。これまでたどってきた道も、先進国に至る道だったと言えるのだろうか。代表格として韓国を取り上げ、縦横に分析、通念の見直しを迫る。第一線の研究者による学際的共同研究の成果。
目次
第1章 組立型工業化の形成と挫折
第2章 韓国の経済発展と「日本モデル」―複製戦略の限界
第3章 韓国産業技術の問題点―工作機械と自動車を例として
第4章 産業化の制約要因としての儒教―発展段階論批判
第5章 技術・技能節約的発展の特異性
第6章 台湾・韓国経済における変化への対応能力―比較の視点から
第7章 韓国経済のアルゼンチン化?
第8章 韓国財閥におけるオーナー支配の執拗な持続
第9章 韓国における経済危機と労使関係レジームの「転換」―労・使・政委員会の活動を中心に
第10章 韓国金融危機の原因―金融界からの視点
著者等紹介
松本厚治[マツモトコウジ]
1944年静岡県生まれ。1968年通商産業省入省。在韓国大使館参事官、在オーストラリア大使館参事官、埼玉大学教授、通商産業研究所次長などを経て1996年(財)産業研究所国際経済研究センター所長、現在に至る
服部民夫[ハットリタミオ]
1947年大阪生まれ。1971年アジア経済研究所入所。ハーバード大学フェアバンクセンター・フォー・イーストアシアン・リサーチ客員研究員。東京経済大学教授をへて、1996年同志社大学教授、現在に至る
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