出版社内容情報
《内容》 社会の高齢化と食生活の変動に伴い血管疾患は増加・増悪しているが,血管病変は灌流する臓器にも循環障害をきたすため,その克服に向けて各診療科を越えた「包括的診療体系」を構築する必要がある.本書では,血管疾患診療体系の構築とその診療の向上のために,第一線で血管疾患診療にあたっている医師が,その診療のコツを研修医、実地医家にも分かりやすく解説している. 《目次》 《総 説》 1.血管疾患の重要性 1.今,なぜ血管疾患が注目されるのか? 1)外科 2)内科 2.血管疾患にはどんな病態があるか? 1.病理からみた血管疾患 2.生理からみた血管疾患 3.動脈硬化と血管疾患:危険因子の関連 ☆動脈硬化の最近の病因論 3.血管疾患のみつけ方《大動脈疾患》 4.大動脈は画像診断でどこまでわかるか 1.超音波診断でどこまで判るか 2.CT(3D-CTなど)診断の最近の進歩 3.MRI(MRAも含む)の適応と限界 4.血管造影は必要か ☆Virtual CT endscopy「crusing eye view」による血管病変の評価 5.大動脈瘤をどう診療するか 1.診断のアプローチと内科的治療 2.手術適応はどう決定されるか:自然予後との関連から 3.治療法の選択:手術法,補助手段の実際 1)胸部大動脈瘤はどう治療する 2)胸腹部大動脈瘤はどう治療するか 3)腹部大動脈瘤はどう治療するか ・内科的治療 ・外科治療 ◆脳保護における最近の話題 ☆脊髄保護における最近の進歩 ☆大動脈弁輪拡張症(AAE)とは ●脳血管障害を合併した場合 ●冠動脈疾患を合併した場合 ●動脈瘤に伴うDICをどう治療するか ☆ステントグラフト(解離を含む)治療は有効か ☆術式・補助手段選択のポイント 6.大動脈解離の診療 1.急性解離 1)大動脈解離の診断 ● intramural hematoma, penetrating atherosclerotic ulcerとは? 2)内科で急性解離をどこまで診るか 3)急性解離の外科治療はどこまでできるか ●急性期からのリハビリテーションはどうするか ◆解離の治療はどうあるべきか 2.慢性解離診療の要点は何か ●術後の経過観察をどうするか 7.Marfan 症候群をどう診療するか 1.診断と内科的対応 2.外科治療 8.炎症性血管疾患 1.高安動脈炎(大動脈炎症候群)の概念とその変遷 1)内科 2)外科 ●異型大動脈縮窄症 2.血管炎症候群 ●血管ベーチェット病とは? ●「炎症性」腹部大動脈瘤とは?《末梢動脈》 9.末梢動脈閉塞症の診療の実際 1.末梢動脈閉塞性疾患をどう診断するか 2.内科的にどう治療するか 3.外科治療の適応は? ◆全身の動脈硬化性合併疾患との関連は? ☆消化器にも血管疾患 ●Buerger病の最近の動向 ●腎動脈狭窄と高血圧の関連 ☆経皮的血管形成術でどこまで治療できるか? 10.末梢動脈瘤・仮性瘤はどう診療するか 11.急性動脈閉塞の診療の実際 ☆経カテーテル的血栓溶解療法の適応をどうするか ☆MNMSとは何か《頸動脈》 12.頸動脈疾患をどう取り扱うか―脳血管障害との関連から 1.内科から 2.外科から ☆頸動脈の超音波診断は有用か ●鎖骨下動脈盗血現象とその治療指針 ●胸郭出口症候群とは?《静 脈》 13.静脈疾患の診療の実際 1.下肢静脈瘤の診療 ●血栓性静脈炎,Mondor病の鑑別 ●下肢静脈瘤硬化療法のコツ 2.深部静脈血栓症(DVT)診療の実際 ◆内科治療か外科治療か ☆Thrombophilia とは何か ◆周産期(妊娠・出産・産褥期)におけるDVT ●抗凝固療法はいつまで続けるか ☆下肢静脈が超音波でどこまでわかるか ●血管形成異常をどう診療するか(塞栓術含む) ●リンパ浮腫の有効な治療法は? 14.肺塞栓症の診断と治療 1.急性肺塞栓症の診療のポイント ◆IVCフィルター挿入の適応と実際 2.慢性肺塞栓症をどう診療するか 1)内科から 2)外科から ●肺動脈血管内イメージングの有用性 15.大静脈にはどんな疾患があるか 1.上大静脈症候群,症候群下大静脈閉塞 2.Budd-Chiari症候群 ●ワンポイントアドバイス,☆トピックス,◆論点
目次
総説(血管疾患の重要性;血管疾患にはどんな病態があるか?;血管疾患のみつけ方)
大動脈疾患(大動脈は画像診断でどこまでわかるか;大動脈瘤をどう診療するか;大動脈解離の診療;Marfan症候群をどう診療するか;炎症性血管疾患)
末梢動脈(末梢動脈閉塞症の診療の実際;末梢動脈瘤・仮性瘤はどう診療するか;急性動脈閉塞の診療の実際)
頸動脈(頸動脈疾患をどう取り扱うか―脳血管障害との関連から)
静脈(静脈疾患の診療の実際;肺塞栓症の診断と治療;大静脈にはどんな疾患があるか)