内容説明
子供はみんな兵士で、この世は生き残りゲームで。砂糖菓子の弾丸で世界と戦おうとした少女たち…。稀世の物語作家・桜庭一樹の原点となる青春暗黒小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
119
砂糖菓子の弾丸→ロリポップ。 海野藻屑って藻屑って子供につける名前としてはどうなのか？と思いつつ読む。不思議な子。 中学生の女の子。辛い。 山田なぎさは、兄が引きこもりで、高校へは進学せずに就職（自衛隊）しようと思ってる。 東京から転校してきた藻屑。世の中は残酷なのにとても明るかった。 藻屑が言ったことは、嘘なのか？本当なのか？信じることは出来なかったけれど、母親から聞かされた話で、色々な事が繋がる。 結末から始まったので、わかってはいたが、辛いラスト。2021/09/24
sk4
86
渡辺淳一作品登場人物的全肯定抱擁型浪漫派美少女。 コレですよ！ とどのつまりは！ 【セカイ系】の王道。 海野藻屑は先に鉈（なた）でズタズタに切り裂かれたペット犬と同じ扱いで切り裂かれて山に捨てられてしまったのだけれど、でも、この話は海野藻屑にとって100％のハッピーエンドだと思います。 山田なぎさの一人称なのでバッドエンドに見えますけれどね。（笑）2013/06/09
sk4
67
以前、TVのドキュメント番組で、末期ガンの少年が最期、危篤状態に落ちて行く時に母親がすがりついて名を呼び「愛してる！愛してるよ！」と叫んで、息子はもうベッドに横たわって目をつぶったまま「俺も」ってそれに答えたのが、彼の最後の言葉だった場面を思い出す。 死神タナトスである父親から逃れられない事を覚悟している藻屑。砂糖菓子の弾丸がなぎさの心臓を撃ち抜いて、ハートになって藻屑の透明だけど空っぽなセカイに飛び込んできてくれた。それは藻屑が死ぬまでに本当に欲しかったもの。 切なくて死にそうです。2013/10/01
しろいるか
67
初・桜庭一樹。スイートでポップでこれぞラノベ！という印象のタイトル。一切の事前情報なしで読んだら、残酷で猟奇的で絶望的な話なのでタイトルから感じた印象と真逆で驚いた。なぎさと同様に、はじめは薄気味悪いものを見るような目で藻屑を見ていたけど、あまりに惨く救いのない環境に心が痛み、藻屑を救い出してあげたかった。連打したところで撃ち抜けない砂糖菓子の弾丸。子供は親を、環境を選べない。最後まで読むとやはりこのタイトルの秀逸さが際立つと思った。ところで結局ウサギを殺したのは誰だったのだろう？2010/02/20
カピバラ
65
衝撃的。読み終わって、感じたことはそれに尽きる。タイトルにひかれて読んだ。作品としても秀逸。一気読みさせられてしまった。藻屑の最後、辛かった。葬式の心理テストは聞いたことがあって有名なものだったが、藻屑の父から答えを聞くとぞっとした。2015/09/15
