内容説明
三菱財閥の創始者―岩崎弥太郎は土佐藩下士層の出身のいごっそうである。幕末変革期、土佐勤王党に加わらず、父の汚名をそそごうと役人を誹謗し、投獄される。牢の中で知り合った瀬左衛門に処世の術や算用の法を教わり、世の中に生きていくには信念のみではだめで、権力に真正面からむかうのではなく、これを利用する方が得と知る。時代の波にうまく乗り、土佐藩の経済的実務にたずさわるうちに、動乱と戦火の中政商としての地位を固めていく岩崎弥太郎。その若き日の生涯を維新で活躍する少壮の士達と共に描いた長篇歴史ロマン。