福武文庫<br> うたかた;サンクチュアリ

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福武文庫
うたかた;サンクチュアリ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 214p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784828832234
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

出会った時からずっと、2人はいつでも2人きりで満天の星空の下にいるような気がした…。そしていつも何となく悲しいような感じがした。―二人の運命的な出会いと愛のかたちを通し、かなたにある希望と幸せを描いた「キッチン」に続く第二作品集。芸術選奨新人賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さっとる◎

39
全ての人がわかりやすい幸せに囲まれて幸せになればいいのに。でもそんな容れ物は大変に希少なので、はみ出してしまう私たちは物語になるしかない。寂しいのが距離だけのせいではないことを知っても、あの時流れていた本物より本物みたいな時間はそう手にすること困難と知っているから行き先不明も上等なのに、嬉しいも苦しいも合っていて幸せと泣きたいは同じ意味でまいる。思いの外早く沈んでいく太陽に、くれなずまずにはいられない今が何度もやってくる。その度陽だまりの欠片を抱いて、君がいなくても生活をする。くだらなくてくだらなくない。2021/10/17

ツバメマン★こち亀読破中

31
予期せぬ運命的な出合いと、悲しい突然の別れ。世界のどこかで毎日繰り返されていることなのに、人は永遠ということを信じてしまう…柄にもなくそんなことを考えてしまうのは、静かに時間が流れる 独特の雰囲気のせいかも。オススメ!2017/03/20

ゆり〜こ

12
表題作の「うたかた」は不思議な雰囲気に、すっかり飲み込まれてしまいました。ゆっくりゆっくり読みたくなるような、形容するのが難しい感じです。嵐がとても魅力的。冒頭では人魚と同様に「お父さん」がどうも好きになれなかったのですが、読んでいるうちに自分も心を開いてしまいました。二話「サンクチュアリ」は春の夜の海や夏の夜の空気感がリアルに感じられて、やるせない虚しさもありましたが、心地良いお話でした。2017/12/21

rodinnk

6
帰省中は実家の蔵書を引っ張りだすのが恒例。この本は、今はなき福武文庫。現在は新潮文庫で再版されています。中高生の頃は、圧倒的に「うたかた」の方が心に残るし好きな作品だと思っていた。けれど、十何年ぶりに読んだら、圧倒的に「サンクチュアリ」が心に迫るのだ。長く生きるとそれだけ、多くの哀しみを知るからだろうか。代わりに得られる優しさと強さを、大切にしたいと思える一作。2016/08/13

あんず

3
「キッチン」と続けて読みました。流行ものがあまり好きじゃなかったので、昔から良く耳にしていましたが、今頃になって”吉本ばなな”さんの作品を初めて読みました。生活や環境が変わっていく事へ、日々不安を感じている私の”今”に偶然にもこの作品に出会えて本当に良かったと思います。2010/11/20

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