内容説明
能の見どころを語り、古典の面白さを語り、新しい時代の能を創造する。縦横無尽、快刀乱麻自作自画自装本。
目次
第1章 古典文学と能(『能に鏤められた古典文学の絢爛』)
第2章 林望作劇―『創作能』(能を創るということ;“黄金桜”;“仲麻呂”)
第3章 むかしむかしの(『小塩』の花に;『千手』の音を聴け;『藤戸』の作意 ほか)
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生まれ。作家・書誌学者。慶應義塾大学卒業、同大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学客員教授、東京芸術大学助教授などを歴任。専門は、日本書誌学・国文学。津村禮次郎に師事し観世流能楽を学ぶ。『イギリスはおいしい』で日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』で国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』で講談社エッセイ賞を受賞。国文学・書誌学の研究論文、エッセイ、小説など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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めめ
2
舞台、というのが苦手で能にもあまり興味がないのだけど、この本に書かれた「能はいちめん言葉の演劇である」の文章で、俄然興味がわいてきた。和歌文学を通して能を語るような、その逆のような、両方とも同じ事なのか、そういう本だった。能のことばがとても美しい。木の間の月(このまのつき)、みぞれし空、ボタンの花を深見草(ふかみぐさ)など。言葉が情景を連れてくる。この本を読むと、能が見たくなる。言葉が美しい、読んでいて気持ちのいい本でした。2020/04/17
qbmnk
0
林望さんが能について書いた文章をまとめたもの。ひとつの能の中に織り込まれた多くの古典文学の要素を取り出して解説した第1章、新作能の意味や在り方と実際に書かれた作品を載せた第2章、有名な能の演目をいくつか取り上げて見所や典拠についても書いた第3章と、バラエティがあって楽しい。能を知りたければ古典も知らなければいけないと痛感した。また能の勉強を通じて古典も知ることができるのは楽しいと思った。2019/03/19