サイコ・クリティーク
ACT‐Kの挑戦―ACTがひらく精神医療・福祉の未来

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  • サイズ B6判/ページ数 148p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784826504850
  • NDC分類 369.28
  • Cコード C3047

内容説明

ACT(Assertive Community Treatment)とは何か。24時間365日、精神障害者に医療と福祉の一体化した訪問による生活支援を行うACT‐Kの実践レポート。

目次

第1章 ACT―精神医療・福祉の最先端
第2章 ACTとは何か
第3章 地域生活支援と「精神疾患・障害複合(MIDcomplex)」
第4章 メルトダウンする精神医療・福祉体制
第5章 ACT‐Kの誕生と現状
第6章 地域精神医療・福祉における支援関係の原則
第7章 これからの精神医療・福祉とACT

著者等紹介

高木俊介[タカギシュンスケ]
1957年生まれ。京都大学医学部卒業。光愛病院(高槻市)、京大病院精神科、ウエノ診療所を経て、現在、たかぎクリニック(京都市)を開設。ACT‐Kを主宰し、精神科在宅医療に取り組んでいる。「精神医療」編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のの

8
重症精神障害者に対して精神医療と福祉の専門家やピアスタッフが24時間365日にわたって訪問による医療・福祉サービスを行うACTを、京都の地において実践されている高木先生の著作。日本の精神医療・福祉の問題点や、「精神障害者」の扱いの問題点、ACTの可能性が初学者にもわかりやすく書かれていた。実践者のことばはやはり説得力がある。あとがきにあった「人の行動がその人の思想のすべて」にぐっときた。これからこの分野に飛び込もうとしている身として、大きな希望と意欲を胸に抱かせられる本だった。2012/08/30

KEI

2
現在の精神障害を巡る問題として、概念的上部構造の「精神障害疾患-障害複合MIDcomplex概念」、現実的下部構造の「精神医療・福祉体制のメルトダウン」を指摘。 疾患には医療・障害には福祉、という前近代的精神障害視点からの脱却、そして表裏一体である精神疾患と障害に対しては集中包括的な支援が必要であり、超分野的・継続的支援の重要性を更新する。 また、ヒト(人口動態・医師)とカネ(医療経営・報酬体系)との摩擦熱による、精神医療の限界と福祉の脆弱性を指摘することで、メルトダウンの実態を示す。2012/10/23

sabato

1
「メルトダウンする精神医療・福祉体制」と、臨界点に達し自らダウンしていく精神病院を中心とした隔離収容体制を指摘している点が非常に鋭く、ここまで放置せざる得なかった日本の医療福祉を改めて考えさせられる一言。筆者も書かれている通り、一番の犠牲者は、どこにも安心して身を寄せる場のなくなった(隔離の対象とされていた)重い精神障害者だ。ACTが完璧!とまでは思わないが、ACT的な地域の機関ネットワークと支援体制をどう創出していくかが、地域側のSWの課題だと思う。2012/10/25

枕流だった人

0
船橋市立図書館

Nori

0
数日かけて読了。ACTという言葉自体は一応知っていたが、その実際のところを全く私は知らなかった。日本の既存の医療福祉制度の下で不自由な面を受け入れつつ、重度の精神障害者が地域で暮らしていけるよう挑んできた10年余りの軌跡。医療だけでも福祉だけでも立ち行かない、両者がフラットに、クライエントを軸とした両輪となって、ときに躓きつつもクライエントと共に少しずつ前に進んでいく。その過程で、クライエント当人のリカバリーが惹起される。病院中心の精神医療からなかなか脱却しない日本で、今後益々この活動は求められるだろう。2021/05/05

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