花園大学人権論集<br> 「差別」という名の暴力―果てしなきホープレス社会の病理

個数:

花園大学人権論集
「差別」という名の暴力―果てしなきホープレス社会の病理

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784826503693
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C3036

出版社内容情報

もはや状況はすべて煮詰まりの極点に到達しつつある。
憲法の外堀は、愛国心教育を鼓吹する教育基本法の改悪策動によって、埋められつつある。これといった対抗言説はいまのところ登場していない。他者の血を舐めて、血だらけのわが顔面を鏡に映して見て、なおも人々は〈癒し〉を感得しつつあるのが現状である。何もかも手遅れかも知れぬ。
だが、しかし…………。

本書は、花園大学人権教育研究センターが発行する数々の出版物の中で、唯一、市販しているシリーズ『花園大学人権論集』の第十巻である。
研究センターに結集する人々および花園大学の人権教育・研究に賛同される方々の論考から、研究センターの方向性をお読み取り願いたいと思う。

■はしがき

■学ぶこと変わること
灰谷健次郎
●子どもと学校の惨状●メディアの犯罪性●三人の校長先生の話●追記

■ちゅら海に基地はいらない
浦島 悦子
●普天間基地移設問題の経過●差別としての基地押しつけ●私たちの闘い●ジュゴンの危機は人間の危機

■インターネット犯罪について
若林 義夫
●〈2ちゃんねる〉の差別書込み●差別・排除の社会的文脈●〈2ちゃんねる〉の設置責任者と利用者●教育と啓発の質的転換を●メディア・リテラシーを身につけよう

■父を語る・〈らい〉者の息子として
林 力
●子ども心に気づいた「父の異常」●とりかえしのつかない痛恨の思い●親子の心情をひき裂く〈差別〉●光田健輔とらい予防法●浄土真宗を剛信した人●同和教育の実践者と「父」を語る

■ドメスティック・バイオレンス防止法と女性の人権
戒能 民江
●ドメスティック・バイオレンス防止法の制定●問題の顕在化●なぜ被害者のほうが逃げなければならないのか●暴力の複合性●暴力を許容してきた社会●追跡の恐怖●子どもも被害者●ドメスティック・バイオレンスの実態●国際社会の動き―女性の人権―●ドメスティック・バクシュアル・ハラスメント―アンケート調査結果を踏まえて
八木 晃介
●調査目的と調査方法●調査結果の概要●セクシュアル・ハラスメント被害の概況●深刻な本学の状況●「甘えの構造」とセクシュアル・ハラスメント●セクシュアル・ハラスメントをめぐる〈自己分断〉の悲劇●コンセンサス不成立の現状について●取り組むべき課題●結論

なにかとてつもなく不快で不安な風が吹いている。
 その風は、東からも西からも、上からも下からも吹いてくる。

 何一つ疑問が解けないままになっている〈ナイン・イレブン〉以後の世界に、一種名状しがたい、 しかも吐き気をともなう〈癒し〉の風が、時にやわらかく、時にしなやかに流れている。もちろん、 全体としては風雲急を告げる、そのようなサインを見せたり隠したりしながら。
〈癒し〉こそ、この時代のエトスを象徴するキーワードではあるまいか。人は他者を差別することで癒され、まとわりついてくるナショナリズムによって癒されている。病や飢渇や心の悩みを、まさにそれらの症候を引き起こしてくる当の原因の積極的または消極的な受容によって、癒されると信じ込む倒錯。
 他者をはげしく非難する言説当事者には、多くの場合、非難の対象は見えていない。実のところ、非難の対象は実在してもしなくてもよいのである。他者を非難するにはそれなりのエネルギーが必要である、昇華もまた〈癒し〉の一種なのだから。だからこそ、非難対象が不在であれば、捏造してもよいといわんばかりの言説が横行するのであろう。これは純粋経済学的にみても間尺のあう話ではあるまいに

目次

学ぶこと変わること
ちゅら海に基地はいらない
インターネット犯罪について
父を語る・「らい」者の息子として
ドメスティック・バイオレス防止法と女性の人権
原理主義
視覚障害者のホームからの転落事故をめぐる裁判
同性愛者排除の論理―日本基督教団を事例として
老人虐待と人権
キャンパス・セクシュアル・ハラスメント―アンケート調査結果を踏まえて