メンタルヘルス・ライブラリー<br> 臨床心理の問題群

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メンタルヘルス・ライブラリー
臨床心理の問題群

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  • サイズ A5判/ページ数 221p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784826503556
  • NDC分類 146
  • Cコード C3047

出版社内容情報

カウンセリング・心理療法・精神療法、さらにさまざまな症状や症候群、資格の名が巷に飛び交う。こうした臨床心理ブームの背景にある諸問題を、「基礎の問題群」-臨床心理学の対象認識-、「実践の問題群」-開業・教育・医療・産業・司法・福祉-、そして「倫理・資格の問題群」-倫理的省察・患者の人権、資格とは何か・資格化の動向-として捉え、臨床心理が担うべき原点とその実際をあらゆる角度から多面的に明らかにする恰好の入門書。


はしがき
臨床心理の問題群をめぐって
岡村達也

座談会
カウンセリングとは何か
浜田寿美男+高畠克子+羽間京子+野口昌也+岡村達也
1●カウンセリングの幻想と現実/2●カウンセリングの終わりかたをめぐって―終わりの保証、現実/幻想/幻滅、自然の壁/人間の壁/こころの壁、断念―/3●カウンセラーに相談すること、友人に相談すること―治るとは―/4●治癒と成長―いまのここを生きること、希望と幻想―/5●物語―自白とカウンセリング―/6●本当の自分―関係性と一人でいること、かなしめること―/7●動機論あるいは因果論―こころの構図、被害意識―/8●「わからない」と言えること―安心感、より深いカウンセリング―



■■■臨床心理の基礎の問題群

臨床心理学のスケルトン
岡村達也
1●臨床心理学の目的―こころのwell-being―/2●臨床心理学の対象―病理と発達―/3●臨床心理学の実践方法論―理解と関与―/4●臨床心理学の実践領域・資格・倫理/5●付論:臨床心理学実践の研究方法論

精神病理学・それ以前にあるもの
松本雅彦
1●はじめに/2●心をコトバにすること…その1(精神療法)/3●心をコトバにするこスクール・カウンセラー導入の問題点

児童養護施設における心理的援助
●福祉領域の一例として
高田 治
1●児童養護施設の現状/2●どのような心理的援助が考えられるのか/3●援助の実際/4●自己研鑽について/5●おわりに

「非行少年」への心理的援助の課題
羽間京子
1●はじめに―「非行少年」というコトバへのイメージの多様性―/2●「非行少年」の法律的定義と処遇/3●「非行少年」の心理的多様性―アセスメント(そして、援助のありようを検討)する際のいくつかの視点―/4●「非行少年」の心理的一般的特徴/5●「非行少年」への心理的援助の課題

県立精神病院における心理的援助の実際
木寺静代
1●はじめに/2●男子開放病棟での院外作業者のための心理グループ/3●おわりに

精神医療における臨床心理のありかについて思うこと
箕浦亜子

産業領域に臨床心理は必要か?
●専門家活動の位置付けと課題
小林孝雄
1●産業領域において、臨床心理・カウンセリングは必要なのか?/2●産業組織が「心理」の専門家に期待すること/3●教育領域と産業領域との比較/4●臨床心理・カウンセリングにおける産業領域/5●産業領域るのか―臨床ブームの本質と行方―/4●現実は臨床家を欲しているのか―あるアンケート調査より―

〈参考〉臨床の制度化の一局面としての資格
●心理臨床の資格を問う視角に関する覚え書き
三輪寿二

あとがき
岡村達也

 本書の前身は、『精神医療』誌としては異色の特集だったかもしれません。2000年4月、縁あってただ1人の心理屋として編集委員会に参加させていただくことになりました。と言って、私が仕掛けた特集というわけではありません(当時も今も、もう物を書くのはたくさんです)。編集委員会で、精神医療でコラボレートする〈臨床心理の特集〉が望まれたのでした。もっとも、もっと精神医療に近いかたちで取り上げることが期待されたのだと思います。実際、編集委員会でそうした議論もありました。が、藤澤敏夫雄先生のはげましと編集委員の先生方のご協力で、まずは、より総論的なかたちで取り上げさせていただいたのでした。同誌での〈精神医療における臨床心理〉の特集は、いまだ後日を期しています。
 雑誌の方は、その特集が棹さし、本書が棹さす「臨床心理ブーム」のお陰か、私が授業の副読本にしたかったのもあって、その分多めに印刷してもらったのですが、それでも、かろうじて授業の分が確保できるほど急速に売れ、半年で品切れとなってしまいました。そこで、雑誌の紙幅制限を緩和し、雑誌特集時の欠を補って、雑誌刊行1年後に、こうして単行本として新刊ということになりました。雑誌をお買> 期せずして、いくつかのことが各論考を超えて論じられています。共同体の問題、あるいは、新しい共同性をどう切り開くかの問題。因果論の問題、あるいは、因果論とは異なるエピステーメーをどう切り開くかの問題。「治癒」「発達」「こころ」という物語の問題、あるいは、幻想という現実、ないしは、専門家のもつ物語と生活者のもつ物語の問題。
「いずれも切実な臨床実践の中からこそつかみ取られた論点だ。これに抽象性を感じる人があるとすれば、その人の臨床実践に現実の切実さが欠けているのだ。ここに現実の切実さを見ることができるほどに、その実践の現実性を確かなものにする必要があるだろう。」
 これが編者としての率直な読後感です。
 私たちは現実の切実さから離れずにいたい。そう思います。

 なお、この「ブーム」の一端についての一精神科医の見解として、『精神医療』第24号「特集:メディアと精神科医-メディアゲームと情報消費の病理」(2002年11月30日)所収の、滝川一廣「精神科医から見たマスメディア-私のスタンス」はぜひご覧いただきたいと思います。また、『精神医療』第20号「特集:学校の崩壊」(2000年9月25日)所収の、拙書評「日本社会臨床学

好評メンタルヘルス・ライブラリーの第8巻です。

内容説明

カウンセリング・心理療法・精神療法、さらにさまざまな症状や症候群、資格の名が巷に飛びかう臨床心理ブーム。その背後にある諸問題を、「基礎の問題群」―臨床心理学の対象認識・対照関与―、「実践の問題群」―教育・福祉・司法・医療・産業・開業―、そして「倫理・資格の問題群」―倫理的省察・患者の人権、資格とは何か・資格化の動向―として捉え、臨床心理が担うべき原点とその実際をあらゆる角度から多面的に明らかにする恰好の入門書。

目次

臨床心理の基礎の問題群(臨床心理学のスケルトン;精神病理学・それ以前にあるもの;精神発達を記述する土俵をどう構えるのか ほか)
臨床心理の実践の問題群(教育とカウンセリング―スクール・カウンセラーの導入をめぐって;児童養護施設における心理的援助―福祉領域の一例として;「非行少年」への心理的援助の課題 ほか)
臨床心理の倫理・資格の問題群(心なおしの倫理性とは;倫理の実際をめぐって―特に技能と秘密保持の倫理について;臨床の制度化と臨床的課題の生成―科学的臨床心理学と資格の循環的構造 ほか)

著者等紹介

岡村達也[オカムラタツヤ]
1954年生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻第1種博士課程中退。東京都立大学学生相談室助手、専修大学文学部心理学科助教授を経て、現在、文教大学人間科学部臨床心理学科教授

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