出版社内容情報
自由奔放な男色社会「江戸」の知られざる姿を赤裸々に描き、江戸の“生態文化”を考える画期的論考集。男色の主役である若衆歌舞伎にいたる男色売春の生成過程を克明に追い、男色の世紀の始まりを探る。
1 倒錯の世紀の幕あけ/(1)野郎歌舞伎への熱狂/(2)誉め言葉/2 軽業芸と売色/3 若衆芸能座/4 日本人の男性美/5 若衆地獄/6 猿楽と男色/7 男色売春のはじめ/8 催情記/(1) 寝所の作法/(2) 別れの作法/(3)忍びの作法/9 女装の神話/10 江戸城桐の間の秘密/11 史上最初の女形/12 男服女服/13 性の混淆/14 親爺若衆/15 評判記という名の売春情報誌/16 衆道とはなにか/17 堺町風景/18 契りの方法/19 悪所の文化/(1) 歌舞伎ファッションの裏側/(2) 河原者/20 男色と俳諧/21 衆道のテクニック/22 男色とはなにか/(1)色道ふたつ/(2) 羅切/23 美少年/24 薩摩「へこ組」の男色/25 切支丹布教時代の男色/26 非道の性戯/27 好色一代男の衆道/(1) 元禄的ユーモア/(2) 飛び子あわれ
目次
倒錯の世紀の幕あけ
軽業芸と売色
若衆芸能座
日本人の男性美
若衆地獄
猿楽と男色
男色売春のはじめ
催情記
女装の神話
江戸城桐の間の秘密
史上最初の女形〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
10
テーマからは離れるが、五代将軍綱吉への評価が辛辣。ごく凡庸、小心。実母桂昌院や僧職亮賢等、知能指数のあまり高くない取り巻きの影響下、迷信の跳梁しやすい土壌から生まれた「生類憐みの令」の程度が知れると手厳しい。男色に寛容な著者も、綱吉がそうだと知ると一転攻撃に回る。将軍在職中百三十人も小姓がいた綱吉を「異常」と決めつけ、その傍証探しに躍起になる著者。ここまで偏向していると、全編疑いたくなる。2019/12/17
ユキ@うろちょろ
0
男色が中古中世を経て、商売としての売色に至る過程を紹介する。当時の体験記や歌を多く引くので、リアルに心情が分かって面白い。研究というよりまとめ。そこまで詳しくない。2009/04/09