内容説明
啄木に愛され、啄木を愛し、そしてその文学者としての才能をだれよりも早くだれよりもつよく信じた人間として、節子はわき目もふらずに雪道を急ぐ。凛冽たる雪国の寒気が、節子の心の焔をさらに熱く燃えたたせ、恋の成就への確信をいっそうつよめずにはいない。啄木の妻としての人生は、この雪の風景からはじまった。
目次
雪の跫音
処女詩集『あこがれ』
つかの間の平安
北海漂泊
“半独身者”
女教師節子
「喜之床」二階
跳梁をはじめるもの
義絶
節子の節操
あいつぐ死
遺された命
著者等紹介
澤地久枝[サワチヒサエ]
1930年、東京都生まれ。敗戦で旧満州より引き揚げる。中央公論社勤務を経てノンフィクション作家に。憲法「九条の会」「さようなら原発1000万人署名市民の会」呼びかけ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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