エネルギーと環境の話をしよう

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  • サイズ B6判/ページ数 175p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822808754
  • NDC分類 501.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

これからは、低エネルギーの暮らしがあってよいのではないでしょうか。
自然エネルギーを中心とした、エネルギーをあまりつかわない社会について語る。

1 エネルギーと環境
   資源は有限/来るべき世界のために/世の中変わった……

2 望ましいエネルギーのつくりかた
   太洋となかよくするには/燃料電池ってどんな電池?/21世紀のエネルギーは
   脱石炭か脱原発か……

3 エネルギー消費を小さくするために
   最高の省エネルギー/IT化は省エネか/風の道・水の道・緑の道
   路面電車の復権/サマータイム・イズ・マネー/一人ひとりの力……

はじめに


 エネルギーや環境をテーマとして本を書こうと思ったら、ふんだんに数字やグラフを盛りこむのがふつうです。『数字で読むエネルギー・環境問題』とか『グラフで見るエネルギーと環境』とかといった本も、いかにもありそうです。それに反して、この本には、あまり数字だのグラフだのが出てきません。数字やグラフをつかって説明されているとわかりやすいという読者は多いのでしょうが、数式はもとより数字そのものが苦手な私の場合、数字が入ってくると、とたんに文章の理解力が低下します。そんなふうですから、数字やグラフをつかってわかりやすく書くということが不可能なのです。
 それでも必要に迫られて不得手な計算(単純な加減乗除)をしているところもあります。本文に「計算まちがいがなければ」とことわりを入れてあるのは、まったく自信がないからで、ほんとうにまちがっている蓋然性は大です。
 けれど開き直って言えば、「数字やグラフをつかって説明されているとわかりやすい」というのも、とんでもない誤解かもしれません。数字はうそをつくことがある(つごうのよい数字だけをつかって誤った結論に導くことができる)し、わかりやすいと思えば思うほど、それが錯覚で本質を見失わせることもあるのです。
 グラフのわかりやすさは、もっと“悪質”です。量でくらべるか、伸び率でくらべるか、占める割合でくらべるかで、与える効果はまるでちがってきます。情報操作の意図があろうとなかろうと、それぞれ、だいじな情報の一部がしっかり隠されることになるのです。同じ数値でも、グラフのタテ・ヨコの比が変わるだけで、印象は一変します。
 数字やグラフをつかったほうが、自分の主張したいことに見かけ上の説得力を増すことができます。だからこそ安易につかわないようにしたかったということもあるわけです。少なくとも数字やグラフで危機感をあおる手法はとりたくありません。
 もうひとつ。本文を読まれればすぐに気づかれるだろうこの本の特色は、新聞からの引用がたくさんあることです。それも、二〇〇八年前半のものが数多くあります。古い記事を引用していたのを新しい引用に変更したからですが、それだけ新聞記事は役に立ってくれました。
 本業の『はんげんぱつ新聞』編集長・原子力資料情報室共同代表のかたわら、明治学院大学でエネルギー論の非常勤講師をしているのですが(本書は、その教科書ともなります)、「授業に向けての準備・アドバイス」にはいつも「毎日読む新聞の記事でエネルギーに関するものを見つけて、目を通すようにしてください。疑問点などがあったらメモをしておいて、授業のときに質問してください」と書いています。
 いまはすぐインターネットで情報をさがすのが常道です。しかし、そこで手に入る情報はきわめて不十分で、偏りがあります。信頼性も低いのが実情です。新聞記事のほうは、さがそうと思ってからさがすのはむずかしく、ふだんから関心をもって読んでいないとなりません。それでも気になった記事をスクラップしておいて、記事中のキーワードからインターネットで情報をさがすと、より確かで効率よく必要な情報が入手できます。新聞社の回し者ではありませんが、インターネットでニュースを見るのでは手に入らない新聞ならではの情報や、インターネットからも新聞記事からも得られない書籍ならではの情報ないし「非情報」をだいじにしたいと考えています。
 もちろん、新聞記事にも書籍の記述にも、まちがいや情報不足は多々ありますから、注意は必要です。情報を鵜呑みにせず、みずから判断することが必要でしょう。
 その意味でこの本は、情報の入手と判断のしかたを例示して、これから自分で情報を手に入れ、当否を判断し、自身のかんがえをつくるヒントになるよう書かれたと言ってよいかもしれません。だから「教科書」なのだと。
 ──なんだか理屈っぽくなりすぎました。そんな理屈っぽさもふくめて、本文を愉しく読んでいただけたらありがたく思います。

内容説明

自然エネルギーが活用されれば省エネルギーにつながり、省エネルギーが進めば自然エネルギーの活躍の場が大きくなります。互いに加速し合って、自然エネルギーを中心とした、エネルギーをあまりつかわない社会をつくっていけるでしょう。

目次

1 エネルギーと環境(ところでエネルギーとは?;人も歩けば;永遠の終わり ほか)
2 望ましいエネルギーのつくりかた(やっぱり自然エネルギー;脱原子力の証明;太陽となかよくするには ほか)
3 エネルギー消費を小さくするために(最高の省エネルギー;吸血鬼をやっつけろ;ほたるのひかり ほか)

著者等紹介

西尾漠[ニシオバク]
1947年東京生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科中退。「はんげんぱつ新聞」編集長。NPO法人・原子力資料情報室共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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未来来

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原子力発電に関する記述はとても参考になりました。只、全体的には軽めの印象。《大学図書館》2009/05/18

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