月をマーケティングする―アポロ計画と史上最大の広報作戦

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月をマーケティングする―アポロ計画と史上最大の広報作戦

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  • サイズ B6判/ページ数 494p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822250430
  • NDC分類 538.9
  • Cコード C0040

出版社内容情報

1961年、ガガーリンの乗ったボストーク1号に人類初の有人宇宙飛行で先を越されたアメリカは、ケネディ大統領の決断により、1960年代のうちに人類を月に送る「アポロ計画」を立てる。そのための予算は250億ドル。この膨大な金額を国民に納得させるために、史上最大のマーケティング作戦が始まった。

新聞、雑誌、ディズニーのテレビ番組、映画『2001年宇宙の旅』などを通じて、NASAは月面開発を売り込んだ。日本人も驚いたアポロ11号の月着陸テレビ中継や、大阪万博アメリカ館の「月の石」は、こうしたマーケティングの一環だったのだ。

冷戦時代の宇宙開発競争にアメリカが勝利することができたのは、ソビエト連邦にはなかった「マーケティングの力」を最大限に活用したからである。そして、宇宙開発によって新しい技術が次々と誕生したのと同様に、現代のマーケティング手法についてもアポロ計画が発端になっているものが多い。

「人類がまだ火星に到達していないのは、つまるところ、火星探索事業のマーケティングが失敗に終わったからだろう」(本文より)

マーケティング・PRの専門家であり、宇宙ファンの著者が、これまで語られることがなかった「史上最大のマーケティング作戦」としてのアポロ計画の姿を描きだす。

私たちはアメリカ合衆国をマーケティングしていた――ユージン・A・サーナン(アポロ17号船長)
1章 はじまりはフィクション――SF小説、ディズニーランド、「2001年宇宙の旅」
2章 NASAのブランドジャーナリズム
3章 NASA契約企業の広報活動
4章 全世界が観たアポロのテレビ中継
5章 月面着陸の日――キャスター、記者はどう報じたか
6章 セレブリティとしての宇宙飛行士
7章 世界を旅した月の石
8章 アポロ時代の終焉

【著者紹介】
マーケティング・ストラテジスト、プロの講演者。アポロ計画グッズの収集家でもあり、自宅リビングに月着陸船の降下用エンジンの推力室を飾っている世界でただ一人の人物と目されている。主な著書に『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』『リアルタイム・マーケティング』(いずれも日経BP社刊)など

内容説明

「アメリカは、1960年代の終わりまでに人類を月に送り、無事に帰還させるという目標のために全力を尽くす―」ジョン・F・ケネディ大統領の宣言どおりアポロ11号が月に到達し、冷戦時代の宇宙開発競争にアメリカが勝利することができたのは、ソビエト連邦にはなかった「マーケティングの力」を最大限に活用したからである。マーケティング・PRの専門家であり、宇宙ファンの著者が、これまで語られることがなかった「史上最大のマーケティング作戦」としてのアポロ計画の姿を描きだす。

目次

1章 はじまりはフィクション―SF小説、ディズニーランド、「2001年宇宙の旅」
2章 NASAのブランドジャーナリズム
3章 NASA契約企業の広報活動
4章 全世界が観たアポロのテレビ中継
5章 月面着陸の日―キャスター、記者はどう報じたか
6章 セレブリティとしての宇宙飛行士
7章 世界を旅した月の石
8章 アポロ時代の終焉

著者等紹介

スコット,デイヴィッド・ミーアマン[スコット,デイヴィッドミーアマン] [Scott,David Meerman]
マーケティング・ストラテジスト、プロの講演者。アポロ計画グッズの収集家でもある

ジュレック,リチャード[ジュレック,リチャード] [Jurek,Richard]
マーケティング・広報の専門家として金融、保険、投資、不動産分野において豊富な経験を持つ。シカゴ近郊を拠点とするインランド・マーケティング&コミュニケーション社の社長。長年の宇宙ファンで、宇宙グッズの収集家でもある

関根光宏[セキネミツヒロ]
翻訳家。慶應義塾大学卒。立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学

波多野理彩子[ハタノリサコ]
翻訳家。一橋大学社会学部卒。繊維・化学メーカーで広報業務に携わったあと、翻訳業に入る。国際ニュース誌『クーリエ・ジャポン』の翻訳なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

81
「今日、人類が月を歩いた」。1969年7月21日、プロジェクトは頂点を極めた。米国の宇宙計画をマーケティングの視点から捉えた一冊。宇宙マニアの著者がオタク的情熱で集めた写真や資料を眺めるだけでも楽しい。PRにジャーナリストを登用し軍部の秘密主義から脱却。50〜60年代にキラ星のように登場したSF小説、ディズニーランドにTomorrow Landが誕生したのもこの頃。バックにはNASA関係者との連携があったという。但し、歴史的成功をおさめた手法は二度は使えない。火星有人飛行のメドは未だ立っていないようだ。2015/09/22

kana

48
素晴らしい本!広報マーケティングに携わる人にとっては特に。職務のHOWではなくWHYを考えさせられます。今後は広報の意義を問われたらアポロ計画を事例にしたい。人間が月に行くなんて、荒唐無稽かつ直接的メリットのわからないことに、福祉や教育等を差し置いて莫大な予算を国が投じるというのは、国民の支持なくしてはあり得ず、そこにはたゆまぬ広報マーケティング担当者の努力と挑戦の積み重ねがあったのです。しかし一度月に行くと、それ自体はニュースでなくなりアポロ計画が終焉していく最終章の幕切れに切ない余韻を感じます。2018/05/21

ヨクト

31
ちょいと値がはりますがかなりのイカした本です。それもそのはず、多くのカラー写真が搭載され、装丁も凝っていて抜群にかっこいい。宇宙全盛期、人々は宇宙というロマンに熱狂した。ケネディの言葉が有名だが、アメリカは国として宇宙開発に力を注ぎ、国家予算の数%をつぎ込んだのだ。つぎ込んだ額も額だが、得られる経済効果も計り知れなかった。全世界が宇宙という目標を共通で掲げていたからこそ急激な技術進歩ができたのだ。それを支えたのがマーケティングなのだ。マーケティングを駆使して火星を目指す時代ナウ。2015/02/14

T

8
とにかくカッコいい本で、手にしているだけで幸せな気分に。文章は長いし、時系列じゃないし、固有名詞は多いしで、読みづらさはある。ただそれを超える面白さもあって、当時の空気感が伝わり、関係者を身近に見て、一緒に月への旅をしてきたかのよう。2015/06/07

塩崎ツトム

7
アポロ計画に対するアメリカ社会の受容と、その後の冷遇をNASAの広報とマスメディアの報道の両方から切り取り、どうして21世紀になっても人類は火星に行っていないのかを分析する。この分析の切り口は「銃・病原菌・鉄」見たいで宇宙開発そのものに関心がなくても興味がもてるし、映画「ライトスタッフ」「アポロ13」がお好きなら一層楽しめますよ! そしてなにより装丁がかっこいい。2015/04/21

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