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哲学、脳を揺さぶる―オートポイエーシスの練習問題

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  • サイズ A5判/ページ数 303p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784822245689
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

内容説明

人は、なぜ自転車に乗れるようになるのだろう?人は、なぜ逆上がりができるようになるのだろう?からだに聴くから脳に効く。創造性への果敢な踏み出し。本書で展開するのは、身体行為を含めたイメージの活用法であり、イメージを通じて経験の動きに自在さを獲得することである。

目次

1 創造性への屈伸運動―「言葉」と「感覚」を揺する
2 浦島太郎の玉手箱の秘密―物語イメージの活用
3 意味の手前で…―「不連続」と「無限」をめぐって
4 目盛りを変える、目盛りをなくす―「測度」と「強度」
5 見えないのに知っている、触れている―物性の不思議な世界
6 目はいかにして生まれたか―進化のイメージを選ぶ
7 スチュアート君の指先―身体表現の可能性を探る
8 寺田寅彦とともに―わかる前に注意が向くということ
9 日常性のほんの一歩先―身体内感と体験的世界
10 見えないが自明な行為の手がかり―遂行的イメージ
∞ レッスンの終わりに―オートポイエーシスと発達のリセット

著者等紹介

河本英夫[カワモトヒデオ]
東洋大学文学部哲学科教授。1953年鳥取県生まれ、1982年東京大学大学院理学系研究科修了。専攻領域は、科学論、システム論、精神医学、進化論、システム・デザイン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やまやま

5
オートポイエーシス自体を論ずる部分は比較的小さく、言葉と感覚に関する事例を多く紹介する。各自の経験を思考回路で拡張するために、例えば日々使用する感情の数を挙げてみよ、とかコツと才能の違い、など思わず使ってしまいそうなフレーズが頻繁に出てくる。生物学的な見識、例えば、外見上、上下の区別がつかないことは、形態が運動とは独立に形成された可能性が高い、といったまとめ、また、寺田寅彦の紹介で、俳句とスケッチを心掛けていたということは、新たな現実に注意を向ける手段というのも納得。入出力のない自己形成運動は難解です。2020/01/28

roughfractus02

5
外化して手となり、身体という容器に収まるという本書での「脳」は脳科学の扱う脳ではない。それがわかるのは著者が「学習」と「発達」を区別する時である。泳ぐことができればさらに様々な種類の泳ぎも可能になるが、どうすれば泳げるようになるかはそこに含まれない。脳が「わかる」場面と脳が「できる」場面は異なる、と著者は考える。後者から脳に接近する本書は、「学習」する「脳」を頭部から身体や手に移し替える幾つかエクササイズを通して、「脳」が「発達」して能力を形成する過程をた辿らせ、読者の頭部に収まった脳に揺さぶりをかける。2017/09/27

きをふし

3
新しい能力の身につけ方を身につけるために、「わかる」「知っている」をリセットして「できる」「経験」「イメージ」を広げる練習を指南する本。練習だから、汗をかいて読まないと効果がないように感じた。「オートポイエーシスを楽ちんに理解したい」という怠け者の僕には反省が必要のようだ。2013/08/20

2
身体が行う「運動」は、複雑なプロセスの積層であるが、それはあまりに複雑で複数の系であるために必要な箇所のみへ収斂されていく。本書のテーマである「発達をやり直す」トレーニングは、普段用いられない運動感覚を掘り起こす。「知る」とは異なる仕方で持つ身体感覚が環境と接触する時、自分自身を主体とする世界が構成される。その場に於いて、客観的な数値に拠らず感覚的に差異を捉える「強度」の認識は、経験を概念ではなく経験そのものとして理解する手助けとなる。これにより経験が再度組織化され、自分自身の再構築が可能となるのである。2018/10/28

チェコ

2
すごく面白かったけど、内容はたぶんほとんどわかってない。2017/11/15

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