神と悪魔の薬サリドマイド

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822242626
  • NDC分類 499.1
  • Cコード C0040

内容説明

40年前、世界に薬害をもたらした薬が、難病患者の希望の光として復活した。20世紀で一番奇妙な薬「サリドマイド」を巡る全貌が、今ようやく明らかになる。ハンセン病、骨髄腫、壊疽性膿皮症、炎症性腸疾患、円板状エリテマトーデス、カポジ肉腫、ベーチェット病、各種の癌や自己免疫疾患…。これらの病気で他の薬が効かない患者は、今もサリドマイドを使っている。同じ効果を持ちながら副作用のない新薬ができる日まで。

目次

ユートピアの幻想
かくして被害は世界に広がった
FDAのヒロイン、米国を救う
敵は社会そのものか?
倫理対正義、メディア対裁判所
FDAの大改革
子供たちの声は強く
ハンセン病患者の夜明け
エイズコネクション
サリドマイド復活
ついに解明された薬害のメカニズム
ある患者の独白
サリドマイドとヒポクラテス

著者等紹介

ステフェン,トレント[ステフェン,トレント][Stephens,Trent]
アイダホ州立大学の解剖学及び発生学の教授。約25年にわたりサリドマイドの研究を続けている

ブリンナー,ロック[ブリンナー,ロック][Brynner,Rock]
小説家で歴史研究家。コロンビア大学で歴史学の博士号を取得している

本間徳子[ホンマノリコ]
国立豊田工業高等専門学校情報工学科卒業。医療機器メーカーに勤務して、装置説明の英訳・和訳、医学文献の和訳などを担当した後、フリーランスの医学翻訳者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sasha

10
ドイツの製薬会社が開発したサリドマイド。妊娠中に服用した妊婦から四肢欠損の胎児が生まれたことから、世界規模の薬禍事件を引き起こした薬剤。その誕生から、悪影響の表面化、そしてハンセン病やある種の癌に効果が確認されたことまでを丁寧に追ったノンフィクション。イギリスでの規制の動きの章ではかの国の法制度がよく分からず理解不足になったが、全体によくまとまったノンフィクションだ。薬禍事件も公害事件も似ているよな。加害企業はなかなか悪影響の原因を認めようとしないんだもの。2018/09/06

ソーシャ

4
欧米におけるサリドマイドの数奇な歴史について描いたノンフィクション。その開発過程や薬害事件とそれをめぐる訴訟、そして治療薬としてのサリドマイドの復活まで広く扱われています。企業倫理や薬事行政の重要性についてなど色々と考えさせられる本です。2015/01/30

takao

2
ふむ2021/12/24

kaktism

2
サリドマイドを巡る超よく出来たルポ。一部理解が及ばない所があったものの、全体として説明は丁寧。感想2点:医薬品ていうのはDNAレベルにまで影響を及ぼしうるものなんだなぁって事。言われれば当たり前なんだが、すっかり認識から落ちている事に気付かされる。もう1点はそれほどのものが(それほどのものだからこそかも)及ぼす影響を、全部把握することは不可能だって事。「医薬品」ってそういうものだ、と気付かされる。展開も読ませるし内容も分かりやすく気付きも多い、と3拍子揃った、しかしながら隠れた名ルポなのでぜひ。2011/11/26

Yoichiro Nagatani

1
2001年の本。再読。途中ちょっとダレてやっと読了。サリドマイドが「神」の薬?と思ったが、読んで納得。今、薬に関する色々な規則があるが、なぜ規則ができたのか理解ができる。サリドマイドのような薬害を無くすため規則遵守したい。恐ろしくも素晴らしい本でした2015/01/03

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