内容説明
本書は、人間の感情の進化に関する冒険物語であり、感情が私たちの脳の働きの中にどのように組み込まれるようになったかを探る。これは、意識、感情、自由意志、学習、記憶、推論、倫理、美意識に関する話であり、過去の歴史の結果、私たちがどれほど大きな潜在的創造力を与えられるようになったかの話である。
目次
第1章 日常生活の大いなる幻想
第2章 母なる遺伝子コード
第3章 モンタージュ写真を追え!
第4章 感情モデルはロシア人形のごとく
第5章 感情が子孫に遺伝するためのルール
第6章 情熱の通り道は脳のどこにある?
第7章 鏡よ鏡、世界で一番女らしい顔は誰?
第8章 感情に従うか論理的に生きるか?それが問題だ
第9章 ヒトの進化がもたらした情熱と幻想
著者等紹介
ジョンストン,ビクター・S.[ジョンストン,ビクターS.][Johnston,Victor S.]
ニューメキシコ州立大学心理学教授。専門は認知心理学、進化心理学
長谷川真理子[ハセガワマリコ]
早稲田大学政治経済学部教授。専門は進化生物学、行動生態学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナカ
7
人間の感覚や感情のよう意識的な経験とは果たしてどういう物なのかという、哲学の主題としてもよく扱われるこの疑問に対し、これらが脳の働きの中にどのように組み込まれていったかを、生物学や進化論の観点から解明しようとしている。進化心理学的には、感情は人間の繁殖成功の予兆であるという立場をとるが、もしこれが正しいとし、各個人が自身の繁殖成功の可能性を最大化しようと行動しているとすれば、人類がこれまで培ってきた道徳観や倫理観はどのように説明され得るのかということに興味を持った。 2021/08/20
手押し戦車
6
心は進化により何世代も繰り返し遭遇し一定に保たれた出来事の対し快か不快かの感情を取り込み生前学習され成長に連れ自意識で色んな経験を積んで快、不快を身につける。美とか素敵とはそれを見る者の目の中にあり十人十色の快の感情が存在して外的要因と融合して判断している。ルックスを重視するのは無意識の内に査定されている。快の裏には不快が存在し楽しい事もあれば辛い事、恐怖に思う事がありその部分を強く印象してしまって快楽を強く求める様になる。人間は心地よい経験を進化させ無意識の内に自然と選り好み出来る能力こそ感じる心! 2014/06/12
gender
1
専門的な箇所も多いので入門書的なに内容ではないかな。でも著者の語り口が平易なのでそこまでわかりにくいわけではない。感情の根源が人類の繁殖的可能性に依拠している、という部分はセックスとか異性に対する性的魅力も絡めてあって面白かった。2013/08/18
gen
1
進化心理学的立場から、感情について論じた本。コンピュータシミュレーションの結果や美人についての考察など興味深い内容だった。2007/10/21
みあき
0
卒論の参考にするために読んだ。2014/01/13