内容説明
軍国日本の帰結だった「第一の敗戦」と、現下の金融バブル崩壊後における「第二の敗戦」のなかには、われわれの思考様式の諸断面に太い連続線があるのではないか。二つの「敗戦」を招いた思考様式の類似性、その在来の思考様式を、グローバリズムというアメリカン・スタンダードの大波がいかに変貌させようとしているのか否か、本書には、その相克のダイナミズムの断章が描かれている。
目次
序章 グローバリズムが席巻する「金融の時代」
第1章 日本が学ぶべきものは何か(グローバリズムの矛盾;英国的戦略から学ぶもの ほか)
第2章 グローバリズムに揺れる日本―「市場信仰」と「陰謀論」の間で(世界の眼の多様性;日本社会の空気)
第3章 アメリカ型金融と日本型金融(債務国アメリカの加熱;日本型金融システムの破綻 ほか)
第4章 ヨーロッパの戦略(グローバリズムの歴史的回顧;牽引役としてのフランス・ナショナリズム ほか)
第5章 社会と人間(市場と国家をどう見るか;日本社会の危機)