抵抗勢力との向き合い方―働き方改革、業務改革を阻む最大の壁を乗り越えろ

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抵抗勢力との向き合い方―働き方改革、業務改革を阻む最大の壁を乗り越えろ

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  • サイズ A5判/ページ数 174p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784822238483
  • NDC分類 336.1
  • Cコード C0034

出版社内容情報

敵は社内にあり!
隠れた抵抗を見逃すな

 今やどの企業でも働き方改革が急務になっています。会社によっては働き方改革のプロジェクトチームが立ち上がったところもあるでしょう。
なかにはプロジェクトチームのリーダーに指名されたり、メンバーに加わることになったりした人もいるかもしれません。
 そうした人たちが必ずぶつかる大きな壁があります。社内の「抵抗勢力」です。働き方改革に限らず、業務改革などの変革を起こそうと思えば、抵抗は必ず発生します。「必ず」です。
 抵抗する理由は様々ですが、1つだけ確実にいえることがあります。
それは「人は変化を嫌う」ということです。だから抵抗勢力が発生するのは、当然のことなのです。
 では、抵抗勢力とはどう向き合えばよいのでしょうか。数々の働き方改革や業務改革を支援してきた変革のプロである、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏が、実例に基づいて解説します。
 ポイントは2つ。1つは「人が変化に対して抵抗するのは生理現象。最初からそういうものだと分かってさえいれば、感情的にならず、冷静に対処できる」。
もう1つは「自分が変革を推進する側になると、推進側が“正義”で、『抵抗する側が悪い』と捉えてしまいがち。しかしそうではなく、抵抗する側には抵抗する側の正義があり、論理があることを理解し、まず相手に共感すること」です。

 抵抗レベルは表に見えるものや隠れているものなど、4段階に分かれます。
本書では4つの抵抗レベルおよび変革プロジェクトの3つのフェーズごとに、抵抗勢力との接し方を解説。最終的には抵抗勢力を味方に付ける技を伝授します。

≪第1章 抵抗とは何か≫
抵抗は至るところで発生する

─現場のキーパーソンを巻き込めず、転覆
─実は経営トップが最大の抵抗勢力
─意気込んで始めるも、周囲が付いて来られず空回り

抵抗は「悪」ではない
─部下にこれ以上、負荷をかけられない
─会社として腹をくくっていないじゃないか
─今よりもサービスレベルが落ちるじゃないか

抵抗は「自然の摂理」である
抵抗はプロジェクトの時間に応じて変わる

●まとめ
「抵抗勢力」とレッテルを貼るな
抵抗は悪ではない

≪第2章 計画策定期≫
隠れた抵抗に対応する

抵抗は成長する
抵抗には4段階の強さがある
表に出た抵抗と隠れた抵抗
「オンとオフ」で兆候を拾う
・ポイント 1  オンセッションで観察する
・ポイント 2  オンセッションでのチェックポイント
・ポイント 3  オフセッションで雑談する
・ポイント 4  オフセッションでの振り返りメール

「共感と共有」でケアする
・ポイント 1  反論せずに、まず共感する
・ポイント 2  説得せず、真摯に共有する
・ポイント 3  共有すべきものは資料に落とす
・ポイント 4  コミュニケーションを設計する

●まとめ
6回伝えて、やっと6割伝わる

≪第3章 計画策定期≫
表立った抵抗に対応する

プロジェクト計画策定期(後期)の特徴

(A)指摘や不満を“明らかに”する
・ポイント 1  指摘事項を見える化して整理する
・ポイント 2  指摘の真意を確認す
・ポイント 3  受け止めたことが伝わるようにする
・ポイント 4  「“一緒”に解決する」モードに移行する
(B)「目指す方向性に納得がいかない」を解消する
・方向性に合意するポイント 1
 問題解決の6層構造を押さえて議論
・方向性に合意するポイント 2
 「3つの前提」を合わせる
(C)「進め方に納得がいかない」を解消する
・進め方を一致させるポイント 1
 極力相手の意見に乗っかる
・進め方を一致させるポイント 2
 一緒に練り直す
(D)「客観的な判断力」を取り戻してもらう
・判断力を取り戻してもらうコツ 1
 自分のことではなく、他人事として考えてもらう
・判断力を取り戻してもらうコツ 2
 「現状の悪さ」でなく「将来どうすべきか」に話を向ける
・判断力を取り戻してもらうコツ 3
 実行しないリスクを示す
・判断力を取り戻してもらうコツ 4
 反対意見を撤回しやすくする
・判断力を取り戻してもらうコツ 5
 代役を立てる
・判断力を取り戻してもらうコツ 6
 各個撃破する

●まとめ抵抗を歓迎する姿勢を持とう

≪第4章 施策実行期≫
サボタージュに対応する

施策実行期の特徴
人はなぜサボるのか、なぜ行動に移せないのか
心の問題は当事者にその気になってもらうことで対応

・心に対する仕掛け 1
 やってほしいこととその意義を重点的に伝える
・心に対する仕掛け 2
 クイックヒットを仕込む
・心に対する仕掛け 3
 「やること」と「メリット」を直結させる
・心に対する仕掛け 4
 強制力を持たせる

体の問題は当事者をフォローし、テコ入れできる状況で対応
・体に対する仕掛け 1
 アクションまでの手間を最小化
・体に対する仕掛け 2
 当事者をプロジェクトがフォローする
・体に対する仕掛け 3
 脱落者にしかるべき対処をする

●まとめ
対処療法はダメ、予防治療で先手を打て

≪第5章 立ち上げ期≫
「立ち上げ期」の重要性を知る

プロジェクト立ち上げ期の特徴
抵抗と向き合う「基礎体力」を付ける

1-1. 納得度が高いプロジェクトゴールがないと、
  まっとうな批判に耐え切れない
1-2. 納得度が高いプロジェクトゴールがないと、
  チームを組成できない(協力者を増やせない)
2-1. プロジェクトチームの熱量が低いと、
  質の高いアウトプットを出せない
2-2. プロジェクトチームの熱量が低いと、
  抵抗と向き合い切れない
3. 経営陣を味方に付けられないと、
 変革にGOをもらえない

●まとめ
「立ち上げ期」に基礎体力を付ければ、“風邪”を引かなくなる

≪第6章 立ち上げ期≫
納得度が高いプロジェクトゴールを定める

自発性を発揮できるゴールを作る
ステップ 1  メンバー1人ひとりに「問い掛ける」
・問い作りのポイント 1
 第三者からの素朴な疑問
・問い作りのポイント 2
 お決まりの問い掛けからヒントを得る
ステップ 2  1人ひとりの思いを「言語化する」
・書き出すときのポイント 1
 考えをそのまま書き出す
・書き出すときのポイント 2
 「氷山モデル」の全体を明らかにする
ステップ 3  言語化した思いを相互に「ぶつけ合う」
・ぶつけ合いのポイント 1
 氷山モデルの「下」をぶつける
・ぶつけ合いのポイント 2
 集中討議で抜け・漏れを防止
ステップ 4  プロジェクトゴールを「3つの軸でまとめる」
・まとめのポイント 1
 ゴール、コンセプト、必要性の3軸でまとめる
・まとめのポイント 2
 コンセプトは「その状態がいいな」と思える表現で

●まとめ
「与えられたゴール」から「俺たちのゴール」へ変える

【コラム】
ぶつけ合いの2大パターンを押さえる
1. 論点設定型
2. 課題ぶちまけ型

≪第7章 立ち上げ期≫
プロジェクトチームの熱量を上げる

心理的安全性がアウトプットの品質を高める
・仕掛け 1
 双方向キックオフでプロジェクトにのめり込むキッカケを作る
・仕掛け 2
 ノーミングセッションで心理的安全性を確保する
・仕掛け 3
 Icebreakerでパーソナルな側面を知る
・仕掛け 4
 グラウンドルールで心理的安全性を確保する
・仕掛け 5
 プロジェクトルームで偶発的コミュニケーションを発生させる
・仕掛け 6
 プロジェクトルームでスイッチを切り替える
・仕掛け 7
 プロジェクトリーダーの振る舞いがチームの雰囲気になる

●まとめ
心理的安全性を確保してチームの力を最大化する

≪第8章 立ち上げ期≫
経営陣を味方に付ける

変革プロジェクトにおける経営陣の理想的な行動
理想的な振る舞いをしてもらうため、何ができるか

●まとめ経営陣を味方に付け、使い倒す

おわりに
抵抗と向き合うには「人」と向き合え

榊巻 亮[サカマキリョウ]

内容説明

抵抗には「4段階」の強さがある。「隠れた抵抗」を見逃すな。業務改革のプロが対処法を指南―プロジェクトの局面ごとによく出る抵抗の例、マズイ対処の仕方、良い対処の仕方などを体系立てて、かつ、実例を交えて解説。実際にプロジェクトで使って効果が高かった方法論だけを、変革プロジェクトを推進する立場にあるプロジェクトリーダーの視点でまとめた。

目次

第1章 抵抗とは何か―抵抗は至るところで発生する
第2章 計画策定期―隠れた抵抗に対応する
第3章 計画策定期―表立った抵抗に対応する
第4章 施策実行期―サボタージュに対応する
第5章 立ち上げ期―「立ち上げ期」の重要性を知る
第6章 立ち上げ期―納得度が高いプロジェクトゴールを定める
第7章 立ち上げ期―プロジェクトチームの熱量を上げる
第8章 立ち上げ期―経営陣を味方に付ける

著者等紹介

榊巻亮[サカマキリョウ]
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズディレクター。大学卒業後、大和ハウス工業に入社。住宅の設計業務に従事。ケンブリッジ入社後は「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革プロジェクトに参画。一級建築士。ビジネス雑誌での連載や寄稿に加え、講演やセミナーなどの活動も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅうと

21
プロジェクトを円滑に進める術。2021/10/07

18
リミテッドにて ●抵抗は人間の生理現象。必ず起こるものと思う ●抵抗は放置すると育つ ●黙っていると何も話してくれないが、明示的に振り返る場があると途端に意見が出る ●知らないことが生む疎外感はすごく強烈。不信感から抵抗に繋がる ●6回伝えて6割伝わる。すぐに理解してくれると思わない ●現状を揃えるために、見ている事実、範囲、時間軸を合わせる ●月初は具体的には何日まで?等あいまいさを合わせる ▷流し読み。物事の捉え方、解釈、考え方は人によってまちまち。それを揃える作業が大切だと感じた2020/05/31

あい

8
新しいことをしようとすると必ず「抵抗」が起きる。これは自然の摂理だと理解することがはじめの一歩。これを知ってると心に少し余裕ができるなぁと思った。勉強になったところは、批判する人に対する伝え方です。一緒に未来を考える仲間になってもらえるような伝え方のバリエーションが沢山書いてありました。めっちゃメモしました。いいタイミングでいい言葉を伝えられる人間になりたい。伝え方って本当に大事だと思った。2023/05/30

Pustota

7
組織で新しいことを始めるときに生まれる抵抗勢力との向き合い方について。戦い方や攻略法ではなく、向き合い方。抵抗が生まれるのは自然なこと、憎まずに、地道に真摯に対話することが大切。こうまとめてしまうと身も蓋も無いが、様々な場面での抵抗のパターンを整理して、向き合い方のポイントを丁寧に整理しているのでわかりやすいし納得がいく。大きなプロジェクトにも小さな改良にも活かせそう。また、自分がふと「抵抗感」を覚えた時に思い出してもいいかもしれない。2021/11/16

hiyu

5
抵抗勢力の中には、実際、抵抗勢力たる存在もあるのかもしれないが、もしかしたら中々思うように進まない状況を投影し、抵抗勢力と判断している場合もあるのだろうと読み進めた。ここが成果のラインの一つになるのかな。また、マニュアルの一部変更等、日常的な枠組みの変更にも本内容は適合すると思われ、その先に事業とかプロジェクトとかの大きな枠組みの変更、更新に生かされるものなのかもしれない。コツコツとかな。2018/02/05

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