出版社内容情報
敵は社内にあり!
隠れた抵抗を見逃すな
今やどの企業でも働き方改革が急務になっています。会社によっては働き方改革のプロジェクトチームが立ち上がったところもあるでしょう。
なかにはプロジェクトチームのリーダーに指名されたり、メンバーに加わることになったりした人もいるかもしれません。
そうした人たちが必ずぶつかる大きな壁があります。社内の「抵抗勢力」です。働き方改革に限らず、業務改革などの変革を起こそうと思えば、抵抗は必ず発生します。「必ず」です。
抵抗する理由は様々ですが、1つだけ確実にいえることがあります。
それは「人は変化を嫌う」ということです。だから抵抗勢力が発生するのは、当然のことなのです。
では、抵抗勢力とはどう向き合えばよいのでしょうか。数々の働き方改革や業務改革を支援してきた変革のプロである、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの榊巻亮氏が、実例に基づいて解説します。
ポイントは2つ。1つは「人が変化に対して抵抗するのは生理現象。最初からそういうものだと分かってさえいれば、感情的にならず、冷静に対処できる」。
もう1つは「自分が変革を推進する側になると、推進側が“正義”で、『抵抗する側が悪い』と捉えてしまいがち。しかしそうではなく、抵抗する側には抵抗する側の正義があり、論理があることを理解し、まず相手に共感すること」です。
抵抗レベルは表に見えるものや隠れているものなど、4段階に分かれます。
本書では4つの抵抗レベルおよび変革プロジェクトの3つのフェーズごとに、抵抗勢力との接し方を解説。最終的には抵抗勢力を味方に付ける技を伝授します。
≪第1章 抵抗とは何か≫
抵抗は至るところで発生する
─現場のキーパーソンを巻き込めず、転覆
─実は経営トップが最大の抵抗勢力
─意気込んで始めるも、周囲が付いて来られず空回り
抵抗は「悪」ではない
─部下にこれ以上、負荷をかけられない
─会社として腹をくくっていないじゃないか
─今よりもサービスレベルが落ちるじゃないか
抵抗は「自然の摂理」である
抵抗はプロジェクトの時間に応じて変わる
●まとめ
「抵抗勢力」とレッテルを貼るな
抵抗は悪ではない
≪第2章 計画策定期≫
隠れた抵抗に対応する
抵抗は成長する
抵抗には4段階の強さがある
表に出た抵抗と隠れた抵抗
「オンとオフ」で兆候を拾う
・ポイント 1 オンセッションで観察する
・ポイント 2 オンセッションでのチェックポイント
・ポイント 3 オフセッションで雑談する
・ポイント 4 オフセッションでの振り返りメール
「共感と共有」でケアする
・ポイント 1 反論せずに、まず共感する
・ポイント 2 説得せず、真摯に共有する
・ポイント 3 共有すべきものは資料に落とす
・ポイント 4 コミュニケーションを設計する
●まとめ
6回伝えて、やっと6割伝わる
≪第3章 計画策定期≫
表立った抵抗に対応する
プロジェクト計画策定期(後期)の特徴
(A)指摘や不満を“明らかに”する
・ポイント 1 指摘事項を見える化して整理する
・ポイント 2 指摘の真意を確認す
・ポイント 3 受け止めたことが伝わるようにする
・ポイント 4 「“一緒”に解決する」モードに移行する
(B)「目指す方向性に納得がいかない」を解消する
・方向性に合意するポイント 1
問題解決の6層構造を押さえて議論
・方向性に合意するポイント 2
「3つの前提」を合わせる
(C)「進め方に納得がいかない」を解消する
・進め方を一致させるポイント 1
極力相手の意見に乗っかる
・進め方を一致させるポイント 2
一緒に練り直す
(D)「客観的な判断力」を取り戻してもらう
・判断力を取り戻してもらうコツ 1
自分のことではなく、他人事として考えてもらう
・判断力を取り戻してもらうコツ 2
「現状の悪さ」でなく「将来どうすべきか」に話を向ける
・判断力を取り戻してもらうコツ 3
実行しないリスクを示す
・判断力を取り戻してもらうコツ 4
反対意見を撤回しやすくする
・判断力を取り戻してもらうコツ 5
代役を立てる
・判断力を取り戻してもらうコツ 6
各個撃破する
●まとめ抵抗を歓迎する姿勢を持とう
≪第4章 施策実行期≫
サボタージュに対応する
施策実行期の特徴
人はなぜサボるのか、なぜ行動に移せないのか
心の問題は当事者にその気になってもらうことで対応
・心に対する仕掛け 1
やってほしいこととその意義を重点的に伝える
・心に対する仕掛け 2
クイックヒットを仕込む
・心に対する仕掛け 3
「やること」と「メリット」を直結させる
・心に対する仕掛け 4
強制力を持たせる
体の問題は当事者をフォローし、テコ入れできる状況で対応
・体に対する仕掛け 1
アクションまでの手間を最小化
・体に対する仕掛け 2
当事者をプロジェクトがフォローする
・体に対する仕掛け 3
脱落者にしかるべき対処をする
●まとめ
対処療法はダメ、予防治療で先手を打て
≪第5章 立ち上げ期≫
「立ち上げ期」の重要性を知る
プロジェクト立ち上げ期の特徴
抵抗と向き合う「基礎体力」を付ける
1-1. 納得度が高いプロジェクトゴールがないと、
まっとうな批判に耐え切れない
1-2. 納得度が高いプロジェクトゴールがないと、
チームを組成できない(協力者を増やせない)
2-1. プロジェクトチームの熱量が低いと、
質の高いアウトプットを出せない
2-2. プロジェクトチームの熱量が低いと、
抵抗と向き合い切れない
3. 経営陣を味方に付けられないと、
変革にGOをもらえない
●まとめ
「立ち上げ期」に基礎体力を付ければ、“風邪”を引かなくなる
≪第6章 立ち上げ期≫
納得度が高いプロジェクトゴールを定める
自発性を発揮できるゴールを作る
ステップ 1 メンバー1人ひとりに「問い掛ける」
・問い作りのポイント 1
第三者からの素朴な疑問
・問い作りのポイント 2
お決まりの問い掛けからヒントを得る
ステップ 2 1人ひとりの思いを「言語化する」
・書き出すときのポイント 1
考えをそのまま書き出す
・書き出すときのポイント 2
「氷山モデル」の全体を明らかにする
ステップ 3 言語化した思いを相互に「ぶつけ合う」
・ぶつけ合いのポイント 1
氷山モデルの「下」をぶつける
・ぶつけ合いのポイント 2
集中討議で抜け・漏れを防止
ステップ 4 プロジェクトゴールを「3つの軸でまとめる」
・まとめのポイント 1
ゴール、コンセプト、必要性の3軸でまとめる
・まとめのポイント 2
コンセプトは「その状態がいいな」と思える表現で
●まとめ
「与えられたゴール」から「俺たちのゴール」へ変える
【コラム】
ぶつけ合いの2大パターンを押さえる
1. 論点設定型
2. 課題ぶちまけ型
≪第7章 立ち上げ期≫
プロジェクトチームの熱量を上げる
心理的安全性がアウトプットの品質を高める
・仕掛け 1
双方向キックオフでプロジェクトにのめり込むキッカケを作る
・仕掛け 2
ノーミングセッションで心理的安全性を確保する
・仕掛け 3
Icebreakerでパーソナルな側面を知る
・仕掛け 4
グラウンドルールで心理的安全性を確保する
・仕掛け 5
プロジェクトルームで偶発的コミュニケーションを発生させる
・仕掛け 6
プロジェクトルームでスイッチを切り替える
・仕掛け 7
プロジェクトリーダーの振る舞いがチームの雰囲気になる
●まとめ
心理的安全性を確保してチームの力を最大化する
≪第8章 立ち上げ期≫
経営陣を味方に付ける
変革プロジェクトにおける経営陣の理想的な行動
理想的な振る舞いをしてもらうため、何ができるか
●まとめ経営陣を味方に付け、使い倒す
おわりに
抵抗と向き合うには「人」と向き合え
榊巻 亮[サカマキリョウ]
内容説明
抵抗には「4段階」の強さがある。「隠れた抵抗」を見逃すな。業務改革のプロが対処法を指南―プロジェクトの局面ごとによく出る抵抗の例、マズイ対処の仕方、良い対処の仕方などを体系立てて、かつ、実例を交えて解説。実際にプロジェクトで使って効果が高かった方法論だけを、変革プロジェクトを推進する立場にあるプロジェクトリーダーの視点でまとめた。
目次
第1章 抵抗とは何か―抵抗は至るところで発生する
第2章 計画策定期―隠れた抵抗に対応する
第3章 計画策定期―表立った抵抗に対応する
第4章 施策実行期―サボタージュに対応する
第5章 立ち上げ期―「立ち上げ期」の重要性を知る
第6章 立ち上げ期―納得度が高いプロジェクトゴールを定める
第7章 立ち上げ期―プロジェクトチームの熱量を上げる
第8章 立ち上げ期―経営陣を味方に付ける
著者等紹介
榊巻亮[サカマキリョウ]
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズディレクター。大学卒業後、大和ハウス工業に入社。住宅の設計業務に従事。ケンブリッジ入社後は「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革プロジェクトに参画。一級建築士。ビジネス雑誌での連載や寄稿に加え、講演やセミナーなどの活動も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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