ぶんか社文庫
たばこの本棚―5つの短篇と19の随想

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784821151912
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

嫌煙ブームの昨今なれど、たばこにはたばこだけが持つ味わいがある。その味わいは何ものにも変え難い魅力を秘めている。そんなたばこの魔力に魅入られた芸術家たちの珠玉の名作を、自らもたばこをこよなく愛した開高健が編纂した幻のアンソロジー。ファン待望の文庫化復刊。

目次

月とシガレット/どうして彼は喫煙家になったか?(稲垣足穂)
さて、煙草はどこだ(古井由吉)
父のたばこ(水上勉)
見識ある喫煙者(中村武志)
火の点いた煙草―一名・煙草蒐集家の奇禍(横光利一)
熊よけ(戸川幸夫)
煙が目にしみる(井上ひさし)
地中海便り(早乙女貢)
煙草と悪魔(芥川龍之介)
周五郎の火消し壺(杉山吉良)〔ほか〕

著者等紹介

開高健[カイコウタケシ]
1930年、大阪府生まれ。大阪市立大学法学部卒。寿屋(現・サントリー)宣伝部に入社し、コピーライターとしてトリスのコピーなどを手がける。またその一方でミニコミ誌「洋酒天国」「サントリー天国」などを編集。’58年「裸の王様」で芥川賞受賞して以来、次々と話題作を発表。’60年代に入ってからは戦争中のヴェトナムにも訪れ、この体験が大きな影響を与えた「輝ける闇」などの名作を発表。趣味である釣りのルポルタージュである「オーパ!」などでも一世を風靡した。’89年12月に惜しまれつつ死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夏子

4
本物のタバコは好きではないけれど、フィクションの中に小道具として登場するのは好きです。ベテラン作家がそろったタバコをテーマにしたアンソロジー。2020/08/30

うい子

2
「今夜から私たちは三人になるんだよ、坊や(『仲間』三島由紀夫)」吸う、吸わないは別にして、煙草の魔力に魅入られた芸術家たちが織り成すアンソロジー。ちなみに、編纂者は開高健。今じゃどこも禁煙禁煙とうるさくなってるけど、一本の煙草から生まれるロマンスまで馬鹿にしちゃいけないと思った。個人的には、横光利一と火野葦平の作品が面白かった。いやはや。落ち着く場所で静かに読みたい作品ばかりだ。2011/12/06

儚俣

1
一番好きなのは晩年まで煙草をのまなかった著者が綴る火野葦平の『煙草と兵隊』。煙草を通して結ばれる国境を越えた連帯感。どの作家も少しの卑下と少しの優越感で語るところが喫煙者の特徴をよく表している。体に悪い物は心に優しい。2014/11/19

石動一

0
著名作家によって1979年に綴られたいわゆる一つの合同誌。85年に発刊された雑誌「煙草の本」も所蔵していて、どちらも愛煙家による話が収録されているのを読んだ。どちらも煙草という存在が嗜好品の枠を越え、人の人生を煙に巻いてきた事を示す記録である。ある者はその一服に人生を思い返し、ある者は蒸気機関車の石炭の如く消費する。共通する事は人は煙草に対し真摯であり、煙草もまた、そうあれかしとあるべくそこにある。とかく嫌煙の世の中で我々喫煙者も彼らと等しく煙草を友にし、そうあれかしと一服する事を教えられる教科書である。2014/06/23

ohwada

0
吸わない人の嫉妬に似た感情とか吸っている人の連帯感など、今でもある感情に思う。2014/05/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/530766
  • ご注意事項