内容説明
激動の幕末。長州藩の京やしきへ水おけをとどけることになった太吉。さむらいにおけをばらすことを命じられかっとうする姿を描く「おけ」など。さむらいたちが血なまぐさい戦いを繰り広げる京都を舞台に、働くことを通して成長する子どもたちを描いた作品7編。小学校高学年から。
著者等紹介
吉橋通夫[ヨシハシミチオ]
1944年、岡山県生まれ。法政大学卒業。『季節風』同人。『たんばたろう』(TBSブリタニカ)で第2回毎日童話新人賞、『京のかざぐるま』(岩崎書店)で第29回日本児童文学者協会賞、『なまくら』(講談社)で第43回野間児童文芸賞を受賞
なかはまさおり[ナカハマサオリ]
横浜市生まれ。横浜美術短期大学(現)卒業後、デザイン事務所に勤務。その後独立し、フリーのグラフィックデザイナー&イラストレーターとして従事。広告、パッケージデザイン、書籍デザイン等を手がける。3年前から本格的に日本画を学び始める。児童書の挿絵は今回が初めて(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がぁ
3
児童文学の傑作!後藤竜二さんの解説もすばらしい。前を向いて懸命に生きる子どもたちの姿が清々しい。2011/12/04
kira
2
昔教科書か何かで読んだ「さんちき」が懐かしくて手に取った一冊。幕末の江戸を生きる子どもたちの様子を描く。一話一話完結とは言い難いかたちだけれど、日常を描いているからこそのおはなしであり、今を生きる子どもたちが自分たちの姿と重ね合わせて未来を思い描けるストーリーだと思う。2018/04/11
てんてつ
1
「ほたる火」つながりで読んでみました(流れから行くとコチラを先に読むはずですが)コチラは読み手を中高生にしているので職人のイキが前面に出ていますが、その裏には世の中の不条理がセットされています。「京の職人の生き方を知る」本で読んでしまうのも良し、隠し味を堪能するも良しです。オススメは「仕事」の意味について共感できた「筆」と「マタギ」でしょうか。最後の「船宿」はサスペンスタッチでこちらは「社会派」作品として楽しめました。児童書に入るので登録数が少ないのですが大人の読む本としても十分対応できると思います。2014/10/13