目次
序論
第1章 研究史並びに研究の経過(諸外国におけるシャマニズム研究;日本のシャマニズム研究 ほか)
第2章 事例:宮城・山形両県における口寄せ巫女の共同祭祀(宮城県内の口寄せ巫女による共同祭祀;山形県内の口寄せ巫女による共同祭祀)
第3章 考察:東北シャマニズムにおけるコミュニケーション行為の諸相(口寄せ巫女の共同祭祀について;カミオロシの韻律性を巡って ほか)
付録
著者等紹介
平山真[ヒラヤマシン]
1966年千葉県千葉市生まれ。1989年早稲田大学理工学部電子通信学科卒業。1994年明治大学大学院政治経済学研究科博士前期課程修了。2001年東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、社会学博士。専門分野は社会人類学(社会構造、宗教と呪術、ジェンダー)
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感想・レビュー
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夜間飛行
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興味深いのは、例えば巫女の語りが持つ韻律性を、従来の「トランスを起こすための音楽」から「社会化するための音楽」という枠組みに置き換える視点。方法論に裏付けされたこのような視点によって口寄せやシャマニズムの曖昧模糊とした世界を論理的に把握する一方で、かつての構造主義や機能主義から抜け落ちた個人と社会の関わりといった視座を取り戻すために、同じ文化的コンテクスト内部での細かい比較や分析に拘る。そうやって《共同生活への個人の統合に焦点を当てた》デュルケムへの回帰、また《儀礼と権力を巡る議論》への接続を試みている。2017/05/13