感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
9
シリーズ6冊め。原本は、長島愛生園教育部編『望ケ丘の子供たち』(山雅房、1941年)。ハンセン病の子供たちが書いた綴り方が収録されている。彼らの書くものには、共通するものが見られる。引き離された家族に対する思慕。「会いたいよぉ」という気持ち、手紙を待ち望む気持ち。また、かつて親が捕らわれるように自分の前から連れ去られたときの生々しい記憶。それから「病気の自分が勉強したって何になるの。ここからどこへも、行けやしないのに」という諦観から、「明日死ぬ命でも、生きてる今日、喜んで学ぼう」という気持ちへの転換だ。2019/03/20