出版社内容情報
人間の記録 第106巻 大賀一郎 「ハスと共に六十年」
四六版 本体1,800円
ISBN4-8205-5766-1
大賀一郎(1883~1965)岡山県出身
植物学者。千葉・検見川の泥炭層より検出された二千年前の古い蓮の実に、
花を咲かせ蘇らせたことで日本国民に悠久のロマンを感じさせた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けろりん
60
大戦の傷跡未だ癒えぬ昭和25年、千葉市検見川の東大農業試験場を一人の老学者が訪れた。「ここを掘れば蓮の実がある」燃料不足の対策として泥炭を採掘していたこの地から、約2500年前のものと考えられる丸木舟が出土し、同時に大量の蓮の花托も発見された。実もまたあるに違いないから、発掘調査をさせて欲しいという大賀一郎博士の情熱と、その志に打たれた人々の献身が、太古の眠りから目覚めさせた古代ハス。千葉市では特に親しみをこめて「大賀ハス」と呼ぶこの紅色の大輪の花をその来歴と共に市の花として戴く我が市を、私は誇りに思う。2023/08/01
H. Ishii/TRGE
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中尊寺ハスに興味をひかれてwikiを調べてみたら大賀一郎の名が。この人は60年間ハスの研究に捧げ、1951年二千年ハスを発掘(千葉県 旧東京大学検見川農場)、開花させた。ハスはその花を咲かせるまでずっと機会を待ち続ける。その辛抱強さ凛々しさに心打たれるとともに、そのハスに一生を捧げた大賀一郎にも感銘を受けた。2016/05/12