出版社内容情報
あの青い空の波の音が 聞えるあたりに 何かとんでもないおとし物を 僕はしてきてしまつたらしい 透明な過去の駅で 遺失物係の前に立つたら 僕は余計に悲しくなつてしまつた 初刊の装丁を模したデザインの詩集。
著者紹介
1931年東京都生まれ。詩人。戯曲、記録映画制作、絵本・童話制作、絵本の翻訳など様々な分野で活躍している。著書に「あいうえおうた」「女に」、編書に「母の恋文」など。
内容説明
万有引力とはひき合う孤独の力。初刊のデザインの香りをつたえる新しい愛蔵版詩集シリーズ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スノーシェルター
13
心が静かになったり、ざわついたりした。宮沢賢治っぽいなとも思う。でも、とても素敵。二十億光年の孤独と静かな雨のよるにが好き。2013/04/29
遠藤三春
8
箱入りで素敵。すでに評家が述べるように、みずみずしい躍動、新鮮であり、言葉の選びが素敵。初めて谷川さんの詩を読んだけれどかなり好き。詩は、私には理解できるモノとできないモノがあるけれど、谷川さんの詩は、想像できる。抽象的なモノをどれだけ言葉に表せられるかというのは難しいのに、感情やイメージを的確に言語化できているのが素晴らしい。読んでいて日本語の美しさに惚れる。表現の多様性に驚嘆する。2012/03/17
マコ
7
「今日は誰にも愛されたかった」での岡野大嗣のエッセイで自分も谷川俊太郎に育てられた(レオ・レオニの翻訳とか)一人だと気づいたので代表作を読んでみた。結果、よくわかりませんでした。終戦から7年の当時はみずみずしくて新鮮だったのでしょうか。でも「万有引力とは ひき合う孤独の力である」はさすが。「病院」の「原色のスーツはレントゲンの前に無力である」が好き。あとネロはあかん。ネロは反則。犬好きにネロはあかん。2020/08/11
ふう
6
オリジナルは実に61年前の出版。谷川俊太郎の処女詩集。歳月を経てもみずみずしい詩。詩人の十代の息づかいが今でもページから立ちのぼってくる。 あぁ、二十億光年の孤独。2013/05/18
玲
4
この世にあるものの存在を疑問をもって見届ける姿勢。主張がある。近年の作品より尖っていた。2018/06/20