法服の王国 小説裁判官〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 419p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784819112154
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「裁判官はあくまで政治的に中立でなければならない」石田和外最高裁長官の言葉で、粛清人事が始まった。大阪地裁の村木健吾ら「現場組」は、司法反動の激流に抗し、「裁判官の独立」を守ろうとする。一方、父親が犯罪者という十字架を背負う津崎守は、「司法の巨人」弓削晃太郎に見込まれ、エリート司法官僚の道を歩き始める。最高裁は、札幌地裁の自衛隊訴訟判決に対する自民党の怒りを恐れ、「長沼シフト」を検討。松山地裁で白熱する伊方原発訴訟の攻防は、津崎をも巻き込む―。裁判所の内幕を抉る社会派巨編小説!

著者等紹介

黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンスなど数多くの案件を手がける。2000年『トップ・レフト』で作家デビュー。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みえ

52
ものすごく勉強になった。裁判官って図太い精神、体力もないと無理だな~。一人が抱えてる裁判も多いし、専門的な勉強もしなきゃならない。私生活は自由がない。ストレスたまるわな~。下巻も楽しみに読んでるとこ。2019/04/17

B-Beat

37
◎2011年7月から2012年9月まで新聞連載された黒木亮最新作。副題にある通り裁判官とは?という素朴な疑問に答えつつひとりの人間としての裁判官を描いてみせる。司法試験に合格した将来を嘱望された裁判官、検事、弁護士の卵達。彼らはそれぞれどんな道を歩むのか。自衛隊の違憲訴訟から原発訴訟。この国の根幹に絡む問題を審判する人間の迫力。かと言えば「なめとんのか!われ!」にピクリとする拘留令状を審理するためヤクザと接見する裁判官。膨大な資料を分析・参考しながらノンフィクションを思わせる筆致。面白い。即下巻へ。2014/04/02

KAZOO

35
昭和40年代ごろからの司法界の流れを小説仕立てで描いています。新聞連載であったようですが、司法界の内幕をよく描いてくれています。政治に抗するもの、あるいは政治になびくものなど、小説でなければ書けないのでしょうがモデルもいるような気がします。銀行業界をはじめとして金融界の小説が多かった著者ですがここにきて、産業界(鉄鋼)や司法界までを書くことができるなんて、と思います。2014/10/05

まつうら

34
一度も裁判所に行ったことがなく、まったく縁のなかった裁判官の物語。しかし、この作品で語られている裁判所の実態を知ると、国民が期待している裁判所の正義や公正がどこにもないことに愕然とする。描かれているのは、予算とトップ人事を行政に握られ、行政におもねった判決を繰り返す判事たちだ。自衛隊問題で違憲判決を出した裁判官がいたが、左遷させられてしまっている。裁判所内でこんな恐怖人事をリードしているのが、司法行政のエースと呼ばれる弓削晃太郎だ。現場の裁判官からの反発も強く、弓削は悪いやつにしか見えない。(下巻に続く)2022/01/28

それいゆ

32
イメージとは異なる内容でした。「小説裁判官」と併記されている理由がこれだったのか?という気がします。裁判官の職務を解説した教科書を読んでいるようでもあり、昭和40年代の政治史や世の中の出来事を復習しているかのようでした。長沼ナイキ事件、伊方原発訴訟などを詳しく分かりやすく紹介しているのですが、読むのに時間がかかり、とても疲れました。2013/08/10

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