内容説明
国内、そしてアジア各地で恐れられた憲兵は、いかなる組織と意図のもとで暴威をふるったのか。その実態を史料から読み解き、憲兵の誕生から終焉、そして現代への連続性を明らかにする通史。
目次
1 憲兵の創設から展開へ
2 思想憲兵の確立
3 日中戦争期の思想憲兵
4 アジア太平洋戦争期の思想憲兵
5 思想憲兵・野戦憲兵としての関東憲兵隊
6 支那派遣軍下の野戦憲兵
7 南方軍下の野戦憲兵
8 憲兵の解体と継承
著者等紹介
荻野富士夫[オギノフジオ]
1953年、埼玉県生まれ。1975年、早稲田大学第一文学部日本史学科卒業。1982年、早稲田大学大学院文学研究科後期課程修了。1987年より小樽商科大学勤務。2016年より小樽商科大学特任教授(2018年3月まで)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
16
憲兵の創設から解体までの本格的な通史。憲兵に関する資料は終戦時に大量に焼却されており、残存する一次資料と終戦後に出た関係団体や関係者の証言集などに依拠するしかない中でも、限られた資料から憲兵に関する様々な役割やその実態を明らかにしている。中でも「満州事変」以降の関東憲兵隊に関する著述は詳細を極める。反満抗日運動への取り締まり、スパイの多用や拷問による取り調べもエスカレートしていく様が分かる。又、「在満日系共産主義運動」への弾圧としての「合作社事件」など、その実態はかなり興味深いものがある。2018/10/07