出版社内容情報
本書の目的は人も社会も壊さない働き方の追求。そこでは利潤獲得のみでなく、自然と社会の持続可能性という道徳的な価値をも踏まえた労働が実現されなければならないと説く。
内容説明
ニートやワーキングプア、増え続ける非正規雇用で年収低下が叫ばれるなか、正社員も残業代ゼロのホワイトカラー・エグゼンプション導入の危機にある。すべての人が人間らしい生活を送ることができる、労働のあり方を探る。
目次
第1章 労働政策と社会政策
第2章 労働政策の焦点と課題
第3章 労働政策と労使関係
第4章 規制緩和と労働政策
第5章 財界と労働政策
第6章 国際労働機関(ILO)と労働政策
著者等紹介
五十嵐仁[イガラシジン]
1951年生まれ。東京都立大学経済学部卒。法政大学大学院社会科学研究科修了。2000~2001年ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員。現在、法政大学大原社会問題研究所教授。同研究所副所長を経て2008年4月より所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無識者
10
資本家と労働者の利害は短期で見れば対立するが、長期で見た場合、特に日本においては、質の高い労働力の育成、市場の維持・発展等で一致する。日本のILO条約の批准数はとても低い。約190ある条約のうち、oecd諸国は平均して74批准しているが日本は49しか批准していない。特に労働時間関連については消極的。現在日本では労働力の柔軟化を進められているが、それを競争させてもそれは日本の労働者にとってもよくないし発展途上国の発展の妨げにもなる。寧ろILO積極的に批准していき先進国の間に働くルールを定めていく姿勢が重要。2016/07/15