評伝・日本の経済思想
下村治―「日本経済学」の実践者

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784818819917
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1333

出版社内容情報

日本の高度成長を予測し、池田内閣のブレーンとして活躍した戦後の代表的エコノミスト下村。独創的な高度成長論、ゼロ成長論に着目しそのライフワークを活写する。

内容説明

日本の高度成長を予測し、その実現に貢献した下村。アカデミズムの外にいながら、日本経済に根ざした独創的理論を構築した。孤高のエコノミストの経済思想と生き様に迫る。

目次

第1章 大学卒業まで
第2章 戦前の大蔵官僚として
第3章 戦後のインフレ処理
第4章 独創的理論の構築
第5章 官庁エコノミスト・下村治
第6章 高度経済成長と下村治
第7章 成長減速論からゼロ成長論へ

著者等紹介

上久保敏[カミクボサトシ]
1963年奈良県生まれ。1988年東京大学経済学部経済学科卒業。1991年三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)研究員。1995年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1998年三和総合研究所退職。大阪工業大学工学部一般教育科講師。2002年同大学助教授。現在、大阪工業大学知的財産学部准教授(基礎教育系)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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八八

3
高度経済成長とは伝説である。年10%の成長率を達成するという日本経済史上類を見ないものであった。下村治は戦前マルクス経済が全盛であった時代にケインズ経済に魅かれ自ら学び、その後に自分の理論を立ち上げた。下村治は池田首相のブレインとなり理論的に支え、当時の主要な経済学者(あの都留重人からも)からは困難と言われ経済企画庁ですら、10%は不可能と言う中で下村は可能であると主張し彼は自らの考えを曲げることは無かった。この評伝は伝説を作った男がどの様な人物だったのかを知るには良い書籍だろう。2018/04/24

denz

2
経済企画庁が策定した「所得倍増計画」に参加したのではなく、そればかりか池田勇人首相とともに、そのブレーンとしてそれ以上の経済成長は可能である、と論壇において力強く高度成長の後押しをした官庁エコノミストの評伝。竹中平蔵氏は、下村に憧れて経済学者になったという。現在の状況から60年代を眺めると、日銀のエコノミスト吉野俊彦がインフレ懸念をして下村を批判したのに対し、下村はインフレを上回る生産性の向上を理論的に可能としたところに面白みを感じる。日銀系の議論は、いつまでも変わらないようだ。2013/01/29

kilroy

0
☆☆☆新年1冊目。 「政府は経済に対して為替レートを調整するのではなく、為替レートに対して経済を適応させるべきである」そうそう、現実にアジャストするべき。少子高齢化にしても財政破綻懸念にしても「解決」ではなく「適応」させる方策を考えることが大切。 年明けから星の数塗りつぶし(黒い星)で評価。 ★★★3つ星(何度も再読の価値あり) ★★☆2つ星(再読の価値あり) ★☆☆1つ星(著者の他著作も読んでみるべき) ☆☆☆無星(ふーん、なるほど)2013/01/01

caizim

0
きっと今の金融危機を下村さんが知ったら、「だから言ったでしょう」とあきれるに違いない。2008/12/31

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