内容説明
世界のビジネス・アーカイブズ活動を紹介する初の日本語論文集。各国・各企業の著名アーキビストによる15の実践・調査報告を収録。地方自治体の公文書管理にも応用可能。
目次
世界のビジネス・アーカイブズ―多様な価値を持つ、経営・業務に貢献するツール
第1部 歴史マーケティングの力(より幅広い視野で―歴史的事実に基づく広報活動への支援;フランスのビジネス・アーカイブズ、経営に役立つツールとして―サンゴバン社の事例;日本における伝統産業とアーカイブズ―虎屋を中心に;アンサルド財団―アーカイブズ、トレーニング、そして文化;アーカイブズを展示することによる商業上の効果)
第2部 ビジネス・アーカイブズと全国的戦略(資産概念の導入と中国における企業の記録管理へのその効果;ビジネス・アーカイブズに関する全国的戦略(イングランドおよびウェールズ)
インド準備銀行アーカイブズ―歴史資源そして企業資産)
第3部 アーカイブズを武器に変化に立ち向かう(誇りある遺産―買収・統合後の歴史物語の重要性;企業という設定のなかで歴史を紡ぐ―ゴードレージグループのシナリオ;合併の波の後―変化への対応とインテーザ・サンパオログループ・アーカイブズの設立;アーカイブズに根を下ろして―IBMブランド形成に寄与する、過去の経験という遺産)
第4部 アーカイブズと経営(企業のDNA―成功への重要なカギ;会社の歴史―化学企業にとっての付加価値;地方史か会社史か―多国籍企業海外現地法人アーカイブズの責任ある管理)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わきが
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企業のアーカイブをいかに保存し、活用していくか、企業のアーキビストが自社の事例を紹介した本。歴史的価値、説明責任の観点だけでなく、企業の経営戦略の観点も大事であると感じた。また厳しい経営環境の中、いかに経営者や従業員にアーカイブの価値を示していくかが大事である。欧米は記録管理が進んでいるとひとまとめに言われるが、ヨーロッパとアメリカで企業アーカイブに対する考えが違っているのに驚いた。本著では歴史あるグローバル企業の事例メインだったが、割と歴史の浅い中小企業の事例も知りたい。2012/12/22
のの
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欧米、中国、インドと日本の企業のアーカイブの報告をまとめたもの。 インドでの廃棄物の話やかわりゆく中国、IT化等の話を興味深く読んだ。国によるある種の温度差を感じていたら、最後の多国籍企業のvsの章があり、この辺意図しているんだろうなと思った。 2012/06/26