内容説明
医師杉本健郎の長男剛亮は、交通事故で病院にかつぎ込まれ、「脳死」の宣告を受けた。数週間後には、小学校の入学式を控えていた。この時から、杉本一家は苦悩のドン底に追いやられた。医師杉本健郎はこれまで、自分の意思で治療行為を中断することはなかった。人工呼吸器を外すことを拒否、治療の続行を願った―。本書は、長男剛亮の「脳死」をめぐって、父健郎、母裕好、姉千尋の3人が自らの心の葛藤と愛の軌跡を綴った記録である。「脳死」に対する日本の医療体制の在り方にも問題を投げかけている。
目次
〔父より〕病室での78時間(杉本健郎)
〔母より〕息子よ静かに眠れ(杉本裕好)
〔姉より〕大好きなごうすけへ(杉本千尋)
〔医師として〕「脳死」を考える(杉本健郎)