内容説明
本書は、日本の着床前診断による受精卵の選別の試みに関する問題点を、医学哲学的視座(倫理学的・法学的・医学的・社会的4つの総合的視点)から整理するとともに、その臨床適応の是非について考察する。
目次
はじめに―わが国のPGD(着床前診断)の歩み
第1部 受精卵の選別とヒトの尊厳―鹿児島大学医学部の試み(患者の権利―臨床医療現場の患者と医療者のために;高度先端医療とヒトの尊厳―医学哲学の視点 ほか)
第2部 PGDの臨床適応―大谷産婦人科の試み(PGDは「障害者への差別を助長する」のか―PGDと優生思想;「医学的理由」に基づいた大谷医師のPGD―問題点の整理と医学哲学的所見)
第3部 わが国のPGD所見―問題点の整理と医学哲学的所見(前胚(preembryo)と胚(embryo)
「ヒトの生命の始まり」とPGDの法的倫理的妥当性 ほか)
第4部 まとめと展望(まとめ―日産婦の最新動向;展望―海外のPGDの現状(臨床適応症例、有用性、問題点))
著者等紹介
児玉正幸[コダママサユキ]
京都大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻(哲学)学修。国立大学法人鹿屋体育大学教授。文博。専門:医学哲学、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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