内容説明
燕行使494回、通信使12回―桁違いの巨大外交ルートが映し出す、しられざる東アジア世界の構造とは。琉球の位置づけや、日朝中知識人の学術交流、洪大容の中国行などを手がかりに、朝貢‐冊封体制論をこえて東アジア国際関係の実像を浮かび上がらせた、燕行使研究の決定版。
目次
朝鮮燕行使とは何か
第1部 一四‐一九世紀、朝鮮をめぐる東アジアの国際関係と国際構造(朝鮮の外交原理、「事大」と「交隣」;明清中国の対朝鮮外交における「礼」と「問罪」 ほか)
第2部 一六・一七世紀、朝鮮燕行使による中国観察と中国批判(一五七四年朝鮮燕行使の「中華」国批判;改革方案『東還封事』に見える趙憲の中国報告 ほか)
第3部 一八・一九世紀、燕行使と通信使における学術交流(朝鮮燕行使による漢学・宋学論議とその周辺―甲在植『筆譚』と中朝文化秩序;朝鮮通信使による日本古学の認識―朝鮮燕行使による清朝漢学の把握を視野に入れ ほか)
第4部 東アジアにおける洪大容燕行の意義(一七六五年洪大容の燕行と一七六四年朝鮮通信使―両者が体験した中国・日本の「情」を中心に;洪大容『乾浄〓( )会友録』とその改変―一八世紀東アジアの奇書 ほか)
第5部 朝鮮燕行録と使朝鮮録(日本現存朝鮮燕行録解題;使琉球録と使朝鮮録 ほか)
著者等紹介
夫馬進[フマススム]
1948年、愛知県に生まれる。1974年、京都大学大学院文学研究科博士課程退学。京都大学人文科学研究所助手、富山大学人文学部助教授などを経て、京都大学大学院文学研究科教授(2013年退任)。現在、京都大学名誉教授。著書に、『中国善会善堂史研究』(同朋舎出版、1997年、恩賜賞・日本学士院賞)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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