出版社内容情報
第53回日経・経済図書文化賞受賞
内容説明
誤解に満ちたフォード・システムの実態を明らかにすることからはじめ、その日本への導入について考察。事実を積み上げていくことで、出来合いのイメージの向こうから、トヨタが構築してきた生産方式のまったく新たな相貌が浮かび上がる。
目次
第1章 フォード・システムの寓話―模倣すべきフォード・システムとは何だったのか?
第2章 「フォード・システム」の日本への受容
第3章 自動車事業におけるフォード・システム移転の試み―自動車製造の「流れ作業」的編成に向けて
第4章 自動車事業における流れ作業への模索―製造現場データの把握とその利用
第5章 経営陣の渡米とその影響―混流生産とパンチカード、マテリアル・ハンドリング
第6章 ダイヤ運転からジャスト・イン・タイム、「かんばん方式」へ
終章 最適な生産規模と立地を求めて―「部品表」の完成
著者等紹介
和田一夫[ワダカズオ]
1949年生。1973年一橋大学商学部卒業。1989年ロンドン大学(LSE)でPh.D.を取得。南山大学経営学部助教授などを経て、東京大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
23
大量生産システムの代名詞でもあるフォードシステムを大量生産の下地が整っていなかった日本において、トヨタがいかにフォードシステムを学び、大量生産できるようにアレンジしていったのかを研究した一冊。タイトルに寓話とあるのは『トヨタの生産方式はトヨタオリジナルであり、アメリカとは違う』などの直観的な俗説に対する著者の指摘。著者の和田先生は資料を鵜呑みにするのではなく、疑問をもって調べ尽くすため読んでいて疑問が出ても心を読まれたかのように疑問に対する答えを出すのでとても興味深く読むことが出来た。素晴らしい。2021/04/11
キミ兄
2
全部で600ページ。フォード、川西飛行機、トヨタの量産システムを渉猟し、効率化とコスト低減がどう進んできたかを比較しながら語る。原価計算が分かってないと多分意味が分からない専門書に近い本。前回読んだ時よりは理解が進んだような気がする。これの品質管理版が読みたい。☆☆☆☆。2022/01/15
キミ兄
2
仕事ともろ被るので仕事中に時間を見つけてどうどうと読んでやったぜ。内容的にはパンチカードを使った原価管理がどうみても中心なんだが、あえてフォード生産方式、トヨタ看板方式を前面に出して分かりにくくしているのはなぜなんだろうか。もしかして作者は経営学史の先生? ☆☆。2018/07/25
キミ兄
0
フォードの流れ作業導入のための部品の標準化の重要性。この領域は希少性高い。☆☆☆☆。2010/02/01
ide
0
膨大な調査の跡が見て取れる。トヨタ生産方式の生い立ちとマテリアルハンドリングについてまなべる。2014/01/20