出版社内容情報
民族宗教紛争、移民難民問題、資源環境問題等にみられる近年の国際社会の地
殻的変動は新しい社会学を要請している。本書は、個別領域研究の蓄積を踏ま
えて、これらトランスナショナルな生きた現実が提起する主要問題群とアプロ
ーチのための視座を提供する「中範囲の理論」化の試み。
目次
序章 国際社会学の構想
第1部 国際社会学の射程(エスニシティの社会学;移民・移動の国際社会学;エスニシティと西欧国民国家―領域政治とマイノリティ政治の展開;宗教と国家の比較社会学―政治中枢と文化中枢との乖離)
第2部 国家を横断する主体と現実(グローバリゼーションと世界都市形成;EC統合と外国人問題―自由な空間と新たな境界;トランスナショナルな環境問題とその解決―米加関係の場合;NGO―その機能と現実)
第3部 エスニシティの多様性(「移民国家」の理想と現実―アメリカの歴史的変遷;多文化社会におけるアイデンティティと統合―21世紀国家をめざすカナダの実験;ナショナリズムとレイシズムの交錯―〈ネーション=ステイト〉イギリスの歴史と現実;言語・教育問題とエスニック集団―途上国マレーシアの経験;「単一民族国家」神話の脱神話化―日本の場合)