竹書房文庫
大江戸怪談草紙 井戸端婢子

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784812429655
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0176

内容説明

この世に人が生き、死ぬかぎり、怪なること奇なることは無論、江戸の昔にも存在した。現代のホラーより遥かに恐ろしく、そしてほんのりと切なくも風流な怪談話が、江戸の庶民たちの間では実しやかに語られていたのである。自ら入れた刺青の祟りで惨殺された彫師の話、大横綱の体内から仁王像を掴み出した按摩の話、そして遊女たちの間で流行した呪いと、その恐るべき報い…。いま話題のミステリーホラー作家・平山夢明が、当時の文献を元に、旅人、丁稚、遊女など、市井の人々が遭遇した怪奇譚を軽妙な語り口で紡いでいく、大江戸版「超」怖い話。うなじを舐める川風のような恐怖と、しんみりとした人情が味わい深い、珠玉の時代怪談。

著者等紹介

平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
神奈川生まれ。コンビニ店長、自販機の営業など様々な職歴の後、映画の批評、来日俳優のインタビュアーなどを経て『異常快楽殺人』(角川書店)でデビュー。以後、長編小説『SINKER』(徳間書店)『メルキオールの惨劇』(角川春樹事務所)執筆の傍ら、実話読み物として『「超」怖い話』『東京伝説』(ともに竹書房)『怖い本』(角川春樹事務所)シリーズを発表。フィクション・ノンフィクション、死者・生者を問わず常に人間存在の「狂気」を根こそぎ描き尽くそうとする筆致には定評がある。2006年『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫『魔地図』収録)で第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞、2006年度「このミステリーがすごい!」第1位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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nico.pp1

24
大江戸版「超」怖い話、面白かった!奇っ怪な出来事と思えるような話から、自らの悪い行いのせいで招いた惨事だったり、いろんな味わいがあり、怖さも楽しめた。どの話も良かったけど、一番鳥肌がたった『忌み草履』と、当然の報いで、むしろ清々しかった『人独楽』あたりが印象に残った。2017/03/30

青葉麒麟

19
江戸時代にこんな話を町人達がしてたのかな?と想像出来て面白かった。しかし本当に江戸っ子って勝ち気と言うか短気と言うか(^^;個人的には『心魚』が好き。2012/11/14

hannahhannah

17
平山夢明による大江戸怪談。いつものような強烈な話は多くない。代わりに狸や狐が人を化かす話があったり、のんびりした話がある。趣深い話もあるが、「髪賽銭」の陰湿ないじめが酷いな。現代よりも強烈な村社会だったろうから、いじめや嫌がらせがより陰湿だったんだろう。判断能力が乏しい未成年でなく、成人がこんなしょうもないことするんだからヤバいわ。まー未成年だろうが、いじめは駄目だな。「人独楽」の壮絶なラストが凄い。さすが平山さんだわ。獣が人間を化かす話を除いて、全体的に因果応報的な話が多かった。現代の話の方が好きかな。2017/06/10

藤月はな(灯れ松明の火)

17
杉浦日向子さんの「百物語」を好きな者としてはこの怪談に「百物語」のモチーフが使われてあるところを見つけて嬉しくなってしまいます。いい人なのに権力などを持つ人物によって惨い仕打ちをされる人々に遣る瀬無くなるからこそ彼らに酷い仕打ちをした人々が因果応報の報いを受けるのに溜飲を下げつつもぞっとしました。特に「人独楽」は江戸川乱歩の「芋虫」の一節を思い出しますがそこにあるのは「芋虫」で感じた哀切さではなく、悍ましい感情だけでした。しかし、「横綱」などのように人情味がある暖かさにも触れてほっとします。2011/10/28

トリオネア

15
もうこれ一回読んでいたなと途中で気付く。しかし面白いのできっちり再読。ハートフルで優しい気持ちになれる怪談もあるが、平山夢明には人独楽のような怪談を期待してしまう。理不尽で、救いがない。人独楽は悪因悪果だけど。実話怪談もワンパターンなので創作の大江戸怪談、すごくいいと思う。2019/05/14

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