内容説明
本書は様々な所有形態に関する社会学的政治理論を、プラトン、アリストテレスから、マキアヴェリ、ヒューム、J・S・ミル、マルクスを経て現代の論者に至るまで、要領よく検討した上で、今日の社会で市民にとって重要なのは単なる私有財産の享受ではなく、むしろ私的所有と公的統制との適切な配合による安定した社会的生活であると示唆する一方、私的所有権の正当化を、それぞれ功利主義、自然権、人格、自由に基づいて試みるなど、所有に関する広汎な問題群を簡潔・平明に叙述した所有問題の絶好の入門書である。
目次
第1部 政治・所有・自由・徳性
第2部 私的所有の弁護
第3部 所有権の生と死