出版社内容情報
福西征子[フクニシユキコ]
国立療養所松丘保養園名誉園長
内容説明
日本書紀にハンセン病はどう描かれていたか。一休和尚はどう語っていたか。幕藩体制下の諸藩はどんな対策をしていたか。古代から明治まで文献に記されたハンセン病を洗い出し、いかに人々のなかに偏見と差別意識が根づいていったかを検証する。
目次
ハンセン病啓発の問題点‐古代仏教・説話と近代ハンセン病学―宿罪・重罪・因果・不治の慢性伝染病としてのハンセン病
中世のハンセン病観(起請文―神罰・仏罰・天罰としてのハンセン病;東海和尚一休の自戒集および狂雲集―法罰としてのハンセン病)
中世から近世初期の民衆とハンセン病―説経節「人の嫌ひし病」の再生と救済
近世中期から幕末におけるハンセン病観―外国人医師の手記に見るハンセン病
近世幕藩体制下におけるハンセン病―会津・三春・弘前・加賀藩のハンセン病対策
明治維新以後・法律第一一号「らい予防に関する件」制定まで(血筋・家筋と遺伝と伝染;第一三回帝国議会から第一八回帝国議会まで―ハンセン病観の科学化;第二一回・第二二回・第二三回帝国議会―隔離の始まりとその療養生活のイメージ)
法律第一一号「らい予防に関する件」と隔離の始まり―北部保養院の成立
著者等紹介
福西征子[フクニシユキコ]
1945年福島県会津生まれ。1969年福島県立医科大学医学部卒業。1980年京都大学医学博士。京都大学小児科および皮膚病特別研究施設を経て、1978年から大島青松園、国立駿河療養所、多磨全生園などの国立ハンセン病療養所勤務。1992年国立療養所松丘保養園副園長、1994年同園長、2013年同名誉園長。この間、1979年および1982年から1983年にかけてArmed Forces Institute of Patholgy研究員(合衆国ワシントンDC)、また1984年から1985年ツーレン大学研究員(合衆国ルイジアナ州)として渡米(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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