内容説明
瀟洒淡麗な画風で狩野派を一変させた天才探幽と、血脈が生んだ選りすぐりの絵師15人の生涯と作品を紹介。日本絵画史上最大の画派「狩野派」400年の流れを江戸狩野派を軸にダイナミックにたどる。
目次
序幕 探幽前史(室町後期―狩野家始祖の正信とその子元信;桃山時代―天才永徳とその子光信;桃山~江戸初期―京狩野の山楽・山雪・永納)
第1部 狩野探幽(宰相・采女時代 1歳‐33歳;斎書き時代 34歳‐59歳;行年書き時代 60歳‐73歳)
第2部 江戸狩野派の15人(江戸狩野・前半期;江戸狩野・後半期;江戸狩野・幕末から明治へ)
著者等紹介
安村敏信[ヤスムラトシノブ]
1953年、富山県生まれ。東北大学大学院修士課程(日本美術史)修了。1979年より板橋区立美術館に勤務し、現在は同館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Maybe 8lue
47
狩野派とは幕府の仕事を受ける絵師の集団であり、幕府崩壊と共に消滅した。桃山時代永徳は一番弟子の山楽を豊臣、長男光信を徳川に、その息子探幽の大画面様式の松鷹、それとは対照的に尚信は大胆な余白を使った作風。章信の内裏雛団の犬バコを使った視覚トリック、美人図の隠し落款は流石!芳崖の仁王捉鬼図のカラフルなこと!!見たことのある絵と作者が整理され、「江戸狩野派」の流れが大体見えてきた。2014/09/12
スプーン
32
(画集として観た時の感想を記す)雄大なる江戸の美。世相を反映した作品が多く、風流である。既成の型からの脱却の意思が観られる。2019/01/29
yamahiko
14
狩野派の血と力の読後に読みました。狩野派を知ることができる概説本としてお薦めの一冊です。2017/09/09
わらわら
7
安部龍太郎氏「等伯」を読むと狩野派は悪人である。狩野永徳にこっぴどく嫌がらせをされる。それから狩野永徳以後の狩野派私の中でも悪人です。とはいえ「檜図屏風」の作品はドカンと落ち着く魅力感じられた。この本は探幽を中心に書かれています。探幽の弟、狩野尚信の大胆な余白の屏風図にあってみたいと思う。幕府のお抱え絵師の狩野派からは逸脱した生き方も気になる。逸見一信(狩野一信)等狩野派の作品を所有している板橋区立美術館を訪れてみようと思います。名古屋城で見た狩野派(探幽)の襖絵等は素晴らしかったを思い出しました。2018/05/18
ヴァンさん@少女マンガ雑誌を語る会
5
美術館好きな人なら誰でも知ってる、板橋区立美術館の元館長さんの著作。某SNSで、退職される前に訪れてみてよかった! キャプションが美術に詳しくない人でもわかりやすいという展示で有名な方。 こうやってビギナーズであっても、日本美術は全くわからないんだなーと痛感すること山のごとし(久隅守景、英一蝶も狩野派だったの!?とか)で、15人の狩野派をさらーっと紹介してるのですが、まあ板橋の作品の多いこと。なんてか、「興味もったら、板橋に来てね!」って宣伝?みたいな。まあ、独自性をもった公立美術館ってすごいなーって感じ2013/10/10