内容説明
ひとは、いつ、どこで、どのようにして、そのひと自身になっていくのか。東京新聞、中日新聞に連載。
目次
記憶の写し絵
女だけの家
クレゾールの匂う部屋
ストレプトマイシン
海苔巻の行方
秘密のある家
足踏みミシン
欠如と過剰
置き去り感
なれそめ〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
40
作者の自叙伝ともいえる内容である、文化放送時代の仕事に対する葛藤等赤裸々に描かれており作者の深い悩みが本書から伝わってくる内容である、そして言葉を大切にする姿勢には共感できる。2016/07/17
kiho
12
凛として迎合せずに歩んできた落合さんの半生記…アナウンサー時代から、筋を通して自分というものを持ってきた様がよくわかりました⭐さらに現代の社会に言葉を発してもらいたい一人…。2015/12/26
punyon
5
小さい頃からどんな過程を経て落合恵子という人間はできてきたのか。「肺病」の家族と「ててなし子」の看板を背負い、世間から向けられる視線を感じながらこの人は生きてきた。「できません」と言い切ってしまえる強さは、ひとつひとつに向き合って世間から向けられる目に反発しながら、人生を生きてきたからこそ、できるんだろう。そして、成功を修めてきた自信がその強さの源なんだろう。最後にいまだ途上と題して、幾つになってもわたしは「未完」のわたしを生きていく。と記されていた。こういう生き方にいつも凄く引き付けられてしまう。2017/12/11
きみさん
3
最近、「山姥ヘアー」となった、落合恵子さん。彼女には、1本骨の通ったところがある。俗に言う、「ポリシーのある」ひとだというのが、彼女に対するワタシのイメージ。 クレヨンハウスには、昔お邪魔したことがあるけれど、もう1度行きたくなった。 特に印象的だったのは、祖母のツネさんの祖父との結婚生活について述べた箇所。「卵の黄身みたいだったね。金色に光っていたね」なんて幸せな女性なんだろう! 祖父について、ツネさんは、「優しくて、凛々しくて、わけへだてのない立派なひとだった」。深き愛、ここにありき!2014/04/20
sutekibito
2
新聞連載のコラムをまとめたものだが、社会と時代に真摯に向かい合った半生記になっている。『「スプーン一杯の幸せ」より「トラックいっぱいの憤り」』こそ書きたかった」という文章に凝縮されていると思った。2014/07/15