内容説明
カビは抗生物質を生産したり、発酵食品を作るのに利用されたりして人々の生活を豊かにするのに役立っている。一方、米や麦やその他の穀物類に寄生・繁殖して有毒な物質を作り出し、人間や家畜に中毒を起こさせるという害も与える。それらの中毒性の物質を「マイコトキシン」(カビ毒)という。本書は、代表的なマイコトキシンを取上げて、カビ毒とはどんなものなのか、そして、わが国の研究者のどのような努力によって日本人がその害から守られてきたのかの物語。
目次
序章 カビとカビ毒
第1章 カビとは何か
第2章 輸入したお米にカビが生えていた。食べても大丈夫?
第3章 現在までに知られているマイコトキシン
第4章 黄変米と脚気
第5章 「黄変米事件」のカビ米
第6章 最強の発がん性カビ毒・アフラトキシン
第7章 麦の赤カビ病菌がつくる毒・トリコテセン
第8章 その他のカビ毒研究と素晴らしい先輩たち
終章 カビ毒研究に従事してきて感じたこと